13日、英紙フィナンシャル・タイムズは「ソフトパワー」を向上させたい中国政府にとって、一部の中国人観光客によるマナーの悪さが悩みの種になっている、と報じた。

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2016年7月13日、英紙フィナンシャル・タイムズは「ソフトパワー」を向上させたい中国政府にとって、一部の中国人観光客によるマナーの悪さが悩みの種になっている、と報じた。15日付で参考消息網が伝えた。

報道によると、米国の経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーのデータでは、2015年に7000万人余りの中国人が海外旅行に出かけた。ほとんどの中国人観光客のマナーには問題がなかったが、一部の人々によるルール無視や粗暴な振る舞いがインターネットにアップされて拡散した。そのため中国政府は海外旅行する中国人観光客向けのマナーガイドを作成し、最も悪質な観光客は海外旅行者のブラックリストに入れた。その中には飛行機の客室乗務員にコップの水を浴びせかけた男女、「新鮮な空気が吸いたい」として離陸途中の飛行機の非常口を勝手に開けた男、さらには日本で妻が会計前にアイスを店内で食べたのを注意されたことに立腹して店員を殴打した夫などが含まれている。

中国政府は今、全世界で「ソフトパワー」を向上させようと目論んでいるが、こうしたマナーの悪い中国人観光客がその大きな障害となっている。日本でもこのほど北海道観光振興機構が昨年国内を訪れた500万人の中国人観光客向けに漫画のマナーガイドを作成した。このマナーガイドには「ホテルの食器を取っていかない」「公共の場所でおならをしない」「買い物でツアー客を待たせない」といったマナーが記されている。特に最後の「買い物」に関わるマナー条項が最も重大である、と報道は主張した。

中国人観光客の旅行先での出費額は今、世界の観光客中で最も多くなっており、英国では中国人観光客の平均出費額が米国人観光客の2倍以上になっている。中国経済は今年発展のスピードが減速したが、それでも「爆買い」現象は消える気配がない。世界旅行ツーリズム協議会によると、昨年中国人観光客は国外の旅行先で2150億ドル(約23兆円)を使い、これは2014年より53%も増加した。2020年にはこの金額はさらに4200億ドル(約44兆円)まで増えると予測されている。

この「爆買い力」は世界各地の観光地の風景をも変化させており、多くの国では空港に中国語の案内表記が見られるようになっている。さらに甚だしい例になると、ヒンドゥー教徒が多数を占めるインドネシアのバリ島では中国人観光客が大量に増えたため、その神像の顔まで変わったという。

報道は最後に、海外旅行に多く出かけ、見識を広げた中国人観光客たちの中にはマナーの悪い同胞を面倒臭がらずに教育し、その振る舞いを改めさせようとする者も徐々に出始めている、と指摘した。(翻訳・編集/矢野研介)