ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

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ヤンキース監督から及第点、一方で課題も…

 ニューヨーク・ヤンキース田中将大投手が、17日(日本時間18日)に本拠地ヤンキースタジアムで行われるレッドソックス戦に先発する。全米中継される試合でプレーオフ進出に好位置につけている同地区のライバルが相手。注目度の高いビッグゲームで大事な後半戦をスタートさせる。

 前半戦は18試合に先発して6勝2敗、防御率3.23で終えた。3年目で初めてケガなくローテーションを守って117イニングを投げた。2自責点以内に抑えた試合が12試合あり、11試合でクオリティースタート(QS、6回以上を自責3以内)をマーク。先発陣で唯一3桁の投球回をクリアするなど好成績を示し、先発投手としての役割は果たしたと言える。

 ジラルディ監督は前半戦最後の登板となった10日の試合後、「前半戦は良い投球をした。多くのイニングを投げられたことはいいサイン」と及第点を与えたが、課題もある。

 今月10日(同11日)のインディアンス戦で4回3分の2を投げ10安打を浴び、今季ワーストの7失点で降板した。その翌日、ニューヨーク・ポスト紙は「タナカは良い状態と感じていなかったようだが、その理由は明らかだ」と報じ、中4日で結果が出なかったことに再注目した。

中4日と中5日の成績の違い、「中5日で投げさせるべき」

 今季、中4日の通常間隔で投げた8試合で1勝2敗、防御率5.33と振るわない。一方、中5日は7試合では4勝0敗、防御率1.05と好投していることから、地元メディアは以前から「エキストラのスターターをはさんででも、タナカを中5日で投げさせるべきではないか」と起用法に疑問を投げかけてきた。

 この件で記者から再三質問をされているジラルディ監督は「数字が異なるのは分かっているが、先発を6人で回すことはできない。適応しなければいけないこと」との主張を貫いている。

 ロスチャイルド投手コーチは「今年の数字だけで判断するのはサンプルが少なすぎる」と話すが、1年目からの数字で比較してみても(中4日―21試合7勝6敗、防御率3.76。中5日―30試合17勝7敗、防御率2.74)と、違いは明らかだ。

 かつてのサバシアがそうだったように、ペナント争いが激化する終盤戦は短い登板間隔でエースを使う機会も自然と増える。プレーオフ進出に望みをつなぐ後半戦に大車輪の活躍をしてほしいというのが首脳陣の本音だろう。投打ともにパッとしないヤンキースは1992年以来の負け越し阻止すら危うい状況。そんな中、3年目でエースの役割が期待される右腕の真価が問われそうだ。