大人になると虫が苦手になる理由

写真拡大

夏休みの自由研究と言えば、かつては「昆虫採集」が定番だった。自由研究ではなくとも、セミやバッタを夢中になって追い求めたことが皆さんもあるのでは。だが、大人になると、なぜか虫が苦手になっていることが多いのも事実。子ども頃は大好きだった虫が大人になると嫌いになってしまうのはなぜか。「教えて!goo」にも「虫苦手が克服できません」という相談が寄せられていた。投稿者は、ベランダにトンボが一匹いるだけでもぞくぞくしてしまうという。

そこで今回は大人になると虫が苦手になってしまう理由を心理学者の内藤誼人先生に聞いた。

■虫には感情移入しにくい?

取材を始めると、内藤先生はなぜかロボットの話を始めた。

「アメリカにあるプリンストン大学のキャリー・モレウェッジが、ロボットの動きの速度と人間に与える印象についての実験を行いました。その結果、ロボットが人間と同じくらいのスピードの時、人に好ましい印象を与えることがわかりました。速すぎても遅すぎても、人に不快な印象を与えてしまうのです」(内藤先生)

確かに、特に人型ロボットの場合、人間と同じぐらいのスピードで動いてくれれば、より親しみを感じやすくなりそうな気がする。だが、これが虫の話とどう関係するのだろうか。

「つまり、人は人間と同じような動きをするものに、人間らしさを感じやすくなるのです。虫は、人間とは全く異なる動きをするので、気持ち悪いと感じるのではないでしょうか。見た目にも共感できる部分が少ないので、得体の知れないものに対する恐怖を感じてしまうのかもしれません」(内藤先生)

虫は時に、人間の理解を超える動きを見せるものだ。予想外の動きに度肝を抜かれた経験がある人もいることだろう。そういった意味では、妖怪や未知の生物に対する恐怖感に似ている部分があるのかもしれない。

■育った環境が、虫嫌いに影響する

そもそも、人間は虫に親しみを抱きづらいものだということは理解できた。しかし、子どもの頃は当たり前のように触れていたセミやトンボ、バッタやカマキリまで苦手になってしまうのはなぜだろうか。

「『観察学習』の影響だと思います。子どもの頃は、好奇心から何でも手に取ってみるものです。しかし、周りの人が何かを嫌っていると、『ああ、あれは気持ちの悪いものなんだ』と認識してしまい、苦手になってしまうのですね。おそらく、虫を気持ち悪いものとして扱っている大人を見ながら育った結果、虫嫌いになってしまう人が出てくるのだろうと思います」(内藤先生)

つまり、そもそも虫はその動きから人間が親しみを持ちにくく、さらに虫嫌いの人が周囲にいたことで、徐々に虫が苦手になっていくようだ。

専門家の見解は上記だったが皆さんは虫嫌いをどう考えるだろうか?

●専門家プロフィール:内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「解決したがる男共感がほしい女」(大和書房)、「自分の中からめんどくさい心に出ていってもらう本」(青春出版社)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)