一目でおいしいイタリアン“サルメ”を見極める方法

まず、なぜ“サルメ”と書いたのか。

これはイタリア語でSalumeと表記され、ハム、サラミ、パンチェッタ、ソーセージなどに代表される「加熱/非加熱の加工肉食品」の総称です。

サラミと似ていて混同されるからなのか、日本にこの名称はあまり浸透していませんが、主にイタリア製の加工肉食品を指す便利な総称なので、ぜひ覚えておきましょう。

ちなみに、色々な種類をいっぺんに指す場合はSalumi(サルミ)となります。

■最高品質のサルメを示すDOPとIGP

食の安全性への関心の高まりや、国際化による食品貿易の加速を受けて、イタリアンサルメの伝統を守る動きも活発化しています。

サルメに付けられるDOPやIGPという表記もその活動のうちのひとつで、伝統及び最高品質を保証する目印ともみなされています。いわば、品質管理と産品保護が目的です。

DOP

DOPはDenominazione di origine protettaの略で、「保護原産地呼称」と訳されるEU統一の呼称・ラベル表記で、主にチーズ・ワイン・バルサミコ酢その他農産物に対して適用され、イタリア産のサルメもその対象です。このラベル表記のある食品は、「原産地を食品名に使用しても良い」と認可されたものです(原産地の登録自体も事前に認可されている必要があり、なんのいわれもない地域の無名の製品にDOPを与えることはできません)。

例えば、イタリア北部のパルマで生産されるプロシュット・ディ・パルマもこのDOP表記があります。ですので、万が一DOP表記なしに“パルマ”という名称を使ったプロシュットを見かけた場合、いわゆる最も有名なプロシュット・ディ・パルマではない可能性が高いです。

IGP

IGPはIndicazione geografica protettaの略で、「地理的表示保護」と訳されるでしょうか。DOPに似ていますが、「特定の地域に評判や性格を負う製品の、製造の少なくとも一部分がその地域で行われている」ことがIGP取得の最低条件で、DOPよりは比較的緩い基準です。

DOPとIGP表記を許可されたイタリアンサルメは、2016年7月現在合計41あります。

おいしいイタリアンサルメを探すには、このDOPやIGPを目安に探してみるのも、ひとつの手かもしれません。

■DOPとIGPを持つ美味しいイタリアンサルメ

以下に紹介するイタリアンサルメは、DOPもしくはIGPを取得しているいわば“ホンモノ”のサルメです。

今回はできるだけ似ていないサルメを選び取りました、完全なリストが欲しい方はこちらのサイトを参考にしてください。

■プロシュット・ディ・パルマ - Prosciutto di Parma

プロシュット・ディ・パルマ
{CC BY-SA 2.0 | Sun Taro}

世界三大ハムのひとつとも名高いプロシュット・ディ・パルマは、洗練された甘味が特徴の生ハムです。低カロリーでありながら、強く味覚を刺激します。製造に使用されるのは塩だけで、冷凍も固く禁じられています。

■サラメ・クレモナ - Salame Cremona

サラメ・クレモナ
salamecremona.it/

イタリア北部ロンバルディア州のクレモナでは、サラメ・クレモナが製造されます(いわゆる“サラミ”の一種です)。古代ローマ時代に起源を持つとも語られるこのサラミは、とても柔らかく、熟成期間が長くても固くなることがないのが特徴です。薫り高く、とろけるような味わいは、歴史深いこのサラミにしか出せません。

■ソプレッサ・ヴィチェンティーナ - Sopressa Vicentina

ソプレッサ・ヴィチェンティーナ
{GFDL | GhePeU}

ヴェネツィアやヴェローナで有名なヴェネト州に位置するヴィチェンツァ県では、ソプレッサ・ヴィチェンティーナが製造されます。

お肉をたくさん食べるヴェネト州の人の食卓を支えてきたソプレッサは、パンやポレンタ(とうもろこし粉を練ったもの)と一緒に食べることが好まれています。赤ワインを一緒に飲めばなお格別で、簡単で贅沢な昼ごはんにも最適でしょう。

■モルタデッラ・ボローニャ - Mortadella Bologna

モルタデッラ・ボローニャ
{CC BY-SA 3.0 | Francois Trazzi}

学問の街として有名なボローニャから、モルタデッラ・ボローニャの紹介です。1世紀ごろに製造が開始されたとされるとても伝統の深いこのモルタデッラは、甘く、軽く、さらに薫り高いのが特徴です。

ちなみに、薄く切ってこんがり焼いた2枚のパンに、3〜4枚を贅沢に挟んで食べるのが筆者好みの食べ方です。ぜひ、お試しあれ。

■見かけたら即購入を

DOPとIGP、さらに代表的なサルミをご紹介しました。

しかし、プロシュット・ディ・パルマなどの超有名どころを除けば、日本の輸入食品店でDOPやIGPを持ったサルミを見かけることが少ないのも現実です。

そのため、もしも見かけたら、迷わずに即購入することをお勧めします。

病みつきになること間違いなしです。

文/諸原龍之介