『誰もが気になる モノの値段』(市場調査研究会/彩図社)

写真拡大

 夏なら夜空を彩る美しい花火、冬なら街路樹を飾るキラキラしたイルミネーションを楽しみながら、心の片隅で「けっこうお金かかっているんだろうな」「いったいいくらいくらかかっているんだろう?」などと思ってしまう。そんなのは私だけだろうか? そこまで無粋なことは考えなくても、街中で見かけるものの値段が気になったことがある人は少なくないだろう。そこで、今回は普段よく目にするものの値段がわかる本『誰もが気になる モノの値段』(市場調査研究会/彩図社)を取り上げる。

■誰もが気になるモノって何?

 この本では「誰もが気になるモノの値段」を紹介するにあたって、次のようなジャンル分けがされている。

1)乗り物の値段

2)スポーツ・レジャーの値段

3)学校にあるモノの値段

4)意外なモノの値段

5)街中にあるモノの値段

6)医療機器の値段

7)職業の裏側の値段

 このように7つのジャンルに分けられたモノは全部で118種類。「乗り物」や「学校にあるモノ」などに比べると、「意外なモノ」にはどのようなものが選ばれているのかわかりにくいので補足しておくと、「仏像の修復費」や「伊勢神宮の式年遷宮にかかる費用」、「動物園の動物購入費」「原子力発電所と火力発電所の建設費」など、文字通り意外なモノが選ばれている。いずれのジャンルも思っていたよりも安いと感じるものから、高すぎて驚かされるものまで幅広くラインナップされているから、パラパラッとめくって気になるところだけをピックアップして見てみても楽しめる。

■毎日目にする気になるアレの値段は?

 打ち上げ花火やイルミネーションの値段も気になるが、毎日目にする信号機や交通標識の値段の方が気になるという人が多いかもしれない。車をぶつけて壊してしまった時に弁償する必要が出てくるからだ。例えば、ガードレールは1m9000円、カーブミラーは5万〜7万円というお手頃価格だが、道路標識は約30万円、信号機は3色のタイプが1基約230万円、歩行者用が1基約100万円とかなり高い。また、街中で大量に見かける電柱と自動販売機と遮断機 はいずれも約50万円と同じくらいの値段だ。電柱はコンクリートの柱だけなら2万円だが、電線や変圧器やそれらの設置費が必要になるし、遮断機も棒だけなら1万円程度だが、竿の上げ下げをする機械本体の値段は約50万円という値段になってしまう。最も安いガードレールでも数メートルにわたって 傷つけてしまうとかなりまとまった値段になってしまうから、くれぐれも運転には気を付けるようにしよう。

■いつも使っているアレの原価にはビックリ!

 日本人には近眼の人が多いうえに、おしゃれでカラーコンタクトを利用している人もいるから、コンタクトレンズの原価が気になるという人はかなりいるのではないだろうか? 実は1枚1万5000円くらいで購入しているハードコンタクトレンズの原価は30円前後、ソフトレンズの原価はもっと安いという。売値とのあまりの値段の差に驚かされたが、差がこんなに大きい理由はコンタクトレンズが高度な開発技術と医師の診断を必要とする「高度管理医療機器」だからだそうだ。確かに、直接目の中に入れるレンズだから、少しでも異物感のないものにしようとすると、莫大な開発費がかかるだろう。レンズ1枚の原価は安くても、そのレンズができあがるまでにかかった経費が含まれていると考えれば、納得せざるを得ない。

■紹介された値段の最高額と最低額は?

 この本で紹介されているモノの中で最も値段が高いのは、国際宇宙ステーションで18兆4800億円。一方、最も安かったのはレジ袋1枚約1〜3円と赤い羽根募金の赤い羽根1本1.6円。最高値の国際宇宙ステーションと最安値のレジ袋では、0の数が13個も違う。あまりに金額の大きい国際宇宙ステーションはピンとこないという人でも、宇宙服1着が12億円、スペースシャトル1機が2000億円と聞くと、宇宙開発にはとんでもないお金がかかっているということは感じるのではないだろうか? 人によって値段を知りたいと思うモノは違うかもしれないが、気になるモノの値段がなぜその金額なのかがわかると、モノの見え方が変わってくるのを感じるはずだ。普段気にせず使っていたモノの値段を気にすることが、身の回りに目が向くきっかけになるかもしれない。

文=大石みずき