[ちちんぷいぷい‐毎日放送]2016年7月7日放送の「昔の人は偉かった」のコーナーで、滋賀県長浜市国友にある国友鉄砲の里資料館が紹介されていました。

こちらには、江戸時代に作られた日本初の反射望遠鏡が展示されています。作者は鉄砲鍛冶師の国友一貫斎。長浜市国友は江戸時代、鉄砲作りが盛んで最盛期には500人もの職人がいたと言います。


国友鉄砲の里資料館(663highlandさん撮影、Wikimedia Commonsより)

はじめは「海外製の修理」から...

国友一貫斎は海外製の望遠鏡を修理したことで、1832年から望遠鏡作りを開始。鉄砲作りの技術を活かし、イギリス製望遠鏡の2倍の倍率(70倍)を誇る、日本初の反射式望遠鏡を完成させました。

その性能の良さは1836年に描かれた、3つの図が示しています。「月面観測図」には月のクレーター、「太陽黒点観測図」には太陽の黒点、「星之図」には金星、模様が描かれた木星、輪のある土星が描かれています。

江戸時代に遠く離れた惑星を観察できたとは驚きです。そして1836年の天保大飢饉の際、彼は自分の作った多くの望遠鏡を大名に売り、そのお金で国友地区の人々を救ったといいます。

人としても優れていた一貫斎。長浜市国友には日本の歴史を支えた彼の技術の証が残されています。(ライター:青空繭子)