アレルギーや皮膚炎など、さまざまな疾患の原因となる「ダニ」。
とくに、ダニが大量発生しやすいこれからの時期、家の中のダニ対策は欠かせませんよね。
加えて、夏のレジャーやガーデニングなど、アウトドアで注意したいのが、ウイルス性の感染症を媒介する野生の「マダニ」です。
この感染症にはまだ特効薬がなく、日本国内でも感染・死亡例が報告されており、厚生労働省では厳重注意を呼びかけています(※1関連リンク)。
これからの季節、マダニから身を守り、恐ろしい感染症を防ぐためのポイントをまとめてみました。

肉眼でもはっきり見える体長1〜10ミリの「マダニ」


致死率25%の感染症「重症熱性血小板減少症候群」とは?

室内にいるヒョウダニ・ツメダニ・コナダニ・イエダニなどは、総称して「屋内塵性ダニ類」と呼ばれ、非常に小さいため肉眼ではほとんど見えません。
一方、草むらや森林などの山野に生息するマダニは、体長1〜10ミリと大きく、硬い外皮で覆われているのが特徴。
人や動物に寄生して吸血し、一度食いつくと数時間〜数日間、皮膚にはりついて血液を吸い続けます。
このマダニが媒介する感染症のひとつが、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」です。
感染すると10日前後の潜伏期間を経て、発熱・頭痛・下痢・腹痛・嘔吐などの症状が現れ、重症化すると血小板や白血球が急激に減少して死に至るケースもあります。
国立感染症研究所によると、日本国内で初めてSFTSの患者が報告された2013年以降、全国で185人が感染・発症し、うち47人が亡くなっています(2016年6月現在 ※2関連リンク)。
まだ有効な治療薬やワクチンがなく、対症療法でしか対応できていないのが現状です。


マダニに咬まれた際の対処法

マダニに咬まれても痛み・かゆみがあまりないため、野外で活動した日は入浴時に全身をチェックしましょう。
もし、皮膚に硬いゴマのような虫が付いてたら、マダニの可能性大です。
ただし、見つけても取り除く際は要注意。
皮膚から無理に引きはがそうとすると、食いついている頭部が残って化膿することがあります。
うまく取れない場合はそのままにして、早めに皮膚科などを受診してください。
その後、潜伏期間の1〜2週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状あればすぐに病院へ行くことが重要です。
また、マダニは被毛で覆われた動物にも取り付きますので、犬を散歩させた後は(外飼いの犬や猫などのペットも)、毛をかき分けて念入りに見てあげてくださいね。

皮膚にこんな虫が付いていたら要注意!

皮膚にこんな虫が付いていたら要注意!


軽装はNG! 肌の露出を徹底して減らす

マダニは山や森林だけでなく、家の庭や畑、あぜ道などにも生息しています。
キャンプ・山登り・ハイキングなどのアウトドアレジャーや、ガーデニング・農作業など、マダニのいそうな場所で活動する時は軽装を避け、肌の露出をできるかぎり減らすのがポイントです。
【屋外で活動・作業する際の注意ポイント】
●長袖の服や長ズボン、帽子、軍手などを着用する。
●足にフィットしたアウトドアシューズや長靴を履き、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる。
●シャツの裾や袖口もズボンや軍手の中に入れ、首にタオルを巻いてダニの侵入経路を遮断する。
●着ていた上着や作業着を、そのまま家の中に持ち込まない。
何よりも最大の予防は、マダニに咬まれないように心がけること。
これからの時期、楽しい夏のアウトドアレジャーで恐ろしい感染症にかからないためにも、まずは徹底した予防対策が肝心といえそうです。
※1参考資料/厚生労働省HP  ※2参考資料/国立感染症研究所HP