オフィスの防災、節電、セキュリティにまつわる製品やサービスを提案する「総務・人事・経理ワールド」が、2016年7月13日〜15日で開催されました。この展示会は会社の設備やシステムといった企業に向けたものですが、防災グッズや省エネ・節電アイテムは個人でも手に入れられるものがいくつもありました。その中から、いくつかをピックアップして紹介します。

性能だけでなく収納やデザインも進化した防災グッズ

地震などの災害時に備えてヘルメットやラジオ、携帯トイレといったアイテムは常備しておきたいもの。しかし、意外と場所を取られてしまいます。そこで、置き場にも困らない“ワザあり”グッズを中心に探してみました。

まずは、頭部を守るために欠かせないヘルメット。通常形状はある程度の大きさになりますが、トーヨー「折りたたみヘルメット BLOOMNo.100」は丸い部分のサイズを半分以下にして収納できます。

装着時のサイズは275(長さ)×145(高さ)×208(厚さ)mmですが、折りたためば345(長さ)×195(高さ)×80(厚さ)mmになります。厚生労働省保護帽規格「飛来・落下物用」国家検定もクリアしているので、安心

ヒモを引っぱると、折りたたんだ状態から通常のカタチになります。重量430gと軽いのもいいですね

ヒモを引っぱると、折りたたまれた状態から通常のカタチになります。重量430gと軽いのもいいですね

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家や会社にヘルメットを準備してある方、外出先で必要になった時の対策はバッチリですか? マキトー・コンフォート「A4シェルター・タフ」は、つねにカバンに入れておける携帯性のよさがウリです。

ノートなどを入れるクリアケースのような構造となっており、中にホイッスルやLEDライト、ポリエチレンシートがセットで入っています。厚さ18mmのA4サイズなので、子どものランドセルにもすっぽり納まるのがすばらしい

もしもの時は、ケースを開いてかぶれば簡易ヘルメットに! 一般的なヘルメットに使われるポリプロピレンを素材に使っており、強度が高く、耐熱性もあります

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落下物から身を守ることは大切ですが、明かりの確保も忘れてはいけません。懐中電灯は準備してあるよ! という方も、電池チェックはこまめに行いましょう。しかし、定期的な確認に自信がない時にはソーラー充電式「エムパワード エマージ」(エム・シー・エム・ジャパン)を用意しておくと安心です。ビーチボールのように空気で膨らませて使用するため、収納場所にも困りません。

右側が「エムパワード エマージ」。左側はアウトドア用の「エムパワード アウトドア」で、ライトの点灯などの仕様が若干異なります

天面にソーラーパネルを装備。バッテリー残量ゼロの状態から満充電まで8時間かかり(太陽光による場合)、満充電では最大7時間点灯できます

普通のライトとして照らせるだけでなく、S.O.S信号を発するモードも搭載しています。リチウムバッテリーを採用しており、寿命は約3,000サイクル

空気を抜けば、ポケットに入りそうなほど小さくなります。重要も75gと超軽量!

空気を抜けば、ポケットに入りそうなほど小さくなります。重要も75gと超軽量!

会場をまわっていたら、防災グッズとは思えないデザイン性の高い「MINIM+AID」を発見しました。佐藤オオキさんが率いるデザインオフィス「nendo」が手がけただけあって、あまりの美しさに見惚れてしまうほど。ライト、ケース、ラジオ、ポンチョがセットになっています。

パッと見た感じは筒。直径約6cmなので、場所も取りません。肩にかけたスタイルは、設計士のようでスタイリッシュですね

筒の中に4つのアイテムを収納。懐中電灯にもなるランタン、常備薬などを入れておけるケース、スマートフォンの充電もできる手動式のラジオ、そしてポンチョです。ポンチョが入っている筒は、ポンチョを取り出せば水筒としても使えるアイデアがニクイ!

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手回しで充電できるタイプのラジオはスマートフォンなどの機器に供給できるものも多いですが、充電にある程度の時間(労力)がかかります。急いで電気を確保したい時には、「マグボックス」(古河電池)がうってつけ。「マグボックス」は、ケースに水を入れると金属マグネシウムが化学反応しで発電する「マグネシウム空気電池」です。騒音や二酸化炭素が発生しないので、場所を問わずに使えるのことも魅力。

スマートフォンに最大20回充電できる「マグボックス スリム」(左)と30回充電可能な「マグボックス」がラインアップ。どちらも、廃棄が容易な紙製容器となっています

紙製のじょうごが付属しているので、水をくんだり注ぐのも容易。水道水はもちろん、川の水でも海水でも発電できます

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非常時のためにトイレも用意しておきましょう。いろいろなタイプがありますが、「高品質まるごと組み立てトイレセット」(ファンシル)はトイレットペーパーなどの必要なものがすべてセットになっているだけでなく、箱が便器になるので1セットあればどこでもトイレができます。

ポリ袋、トイレットペーパー、消臭凝固剤が複数個セットになっています。もちろん、ポンチョも付属

ポリ袋、トイレットペーパー、消臭凝固剤が複数個セットとなっています。もちろん、ポンチョも付属

ダンボールを組み立てると、トイレに変身。体重200kgまで対応します

ダンボールを組み立てると、トイレに変身。体重200kgまで対応します

ダンボール箱を家に置いておくスペースがないという人は、今あるトイレに汚物を入れる袋をセットする「BOS 非常用トイレセット」(クリロン化成)がいいかもしれません。水が流せない時にこのようなトイレを利用するのですが、問題となるのはニオイ。「BOS 非常用トイレセット」は汚物袋を同梱されている脱臭袋「BOS」に入れることで、菌やニオイを外に漏れにくくします。

セット内容は汚物袋と凝固剤、そしてニオイや菌を閉じ込める脱臭袋

セット内容は汚物袋と凝固剤、そしてニオイや菌を閉じ込める脱臭袋

脱臭袋「BOS」は普通のビニール袋と変わらない見た目ですが、汚物袋を入れるとニオイが漏れてこない不思議な袋です

脱臭袋「BOS」と普通の袋に包まれたカレー粉を嗅いでみたところ、脱臭袋「BOS」のほうはまったくニオイを感じず。予想以上の脱臭力に驚きました

脱臭袋「BOS」には、ペットの排泄物や生ゴミ対策、おむつの処理といったラインアップもあります。日常生活でニオイが気になる方は、使ってみてください

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外出先で便器もない! という時には、携帯トイレ「ほっ!トイレ」(エクセルシア)が役立ちます。汚物を入れる袋を固定する型紙とポンチョ付いているので、どこでもトイレが可能。もちろん、ニオイ対策もバッチリなので安心してください。というよりも、「ほっ!トイレ」のウリは凝固剤の消臭力なのです。石灰などを主成分としたタブレット状の凝固剤が排泄した汚物を包み込んで除菌し、悪臭と腐敗を防ぐそう。

「4回セット」(左)はコスパ的にお得ですが、「1回分セット」(右)は通勤通学のカバンに入れておけるサイズでいいですね

タブレット状の凝固剤を投入してから排泄すると、瞬時に右のように膨れ上がり汚物を包み込みます。この凝固剤は、単体(ほっ!トイレタブレット)でも販売されているほどのもの!

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緊急時にかかわらず、今や常識となっているのが手の消毒。手指消毒剤「キビキビ」を展開するJ.alcoのブースでは、おもしろい話を聞けたのでお伝えしておきます。消毒しているつもりが、実はできていなかったかもしれませんよ!

アルコール消毒剤は、オフィスに設置されていることも多いですよね

アルコール消毒剤は、オフィスに設置されていることも多いですよね

スプレー式なので軽く噴き付けるだけという人は多いかもしれませんが、写真ぐらいたっぷり液を使わないと消毒していないのと同じなのだそう。これは、「キビキビ」に限ったことではないので、“アルコール消毒剤はビショビショになるぐらい”を心がけて!

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災害時は、火災も起こりやすいもの。消火器で対応してもかまいませんが、消火器で火を消す場合、火元に近づいて噴射しなければなりません。扱いづらさや火傷などのリスクを減らすために考案されたのが「ラクシーシンプル」(日本ファイヤープロテクト)です。火の手の上がった壁や床にラクシーシンプルを投げつけてボトルを割れば、消化剤が飛び出して消火。日本消防検定協会が承認するNSマークを取得した、信頼できる投てき型消火用具です。

一般的な火災用の「ラクシーシンプル」(左)のほか、石油類の火災にも役立つ強力な「トスアウト」(右)が用意されています

メーカーから提供された動画を見てみると、火元近くに投げ入れると一瞬で炎が消えました!※動画の一部をキャプチャしたものです

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防災グッズではなく省エネグッズですが、もしもの時にあっても役立つので紹介させてください。ウェアにファンが装備された「空調服」です。おもしろアイテムのようでいて、名だたる企業をはじめ、屋外で仕事をする人たちの作業着として採用されている実力派。

空調服には多様なカラーバリエーションや迷彩柄もあり、ファッションとして楽しむこともできます

外の空気を吸い込み、ウェア内に放出するファンが付いています。バッテリーで可動するタイプは4段階の出力切り替えができ、最長24時間以上連続使用可能。装置は取り外しできるので、洗濯もバッチリ!

筆者も試してみましたが、めちゃくちゃ涼しい。少しウェアのサイズが大きいかったのですが、サイズが身体にあっていれば違和感なく着られるはず。エアコンが使えないシーンで役立つのではないでしょうか

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普段もアウトドアにもうってつけなおいしい防災食

ここからは防災食の紹介となります。防災食は長期保存できればいいと思っていましたが、近年は味の追求がすごい! それを裏付けるように、すぐれた非常食・災害食を決定する「日本災害食大賞」には「美味しさ部門」も用意されています。その美味しさ部門でグランプリを獲得したのが、杉田エースが展開する「IZAMESHI」シリーズの「名古屋コーチン入り つくねと野菜の和風煮」。備蓄だけでなく、海外旅行の携帯食やアウトドアなど日常的に利用できるようにこだわったそう。

塩麹で味付けしたチキンとねぎの料理や生姜焼きなど、普通の食事の立派なおかずになるメニューがいろいろあります。すべて、保存期間は製造から3年間

2016年8月1日には、水なしで牛丼や鶏ごぼう丼、カレー丼が作れる「IZAMESHI DON」が発売予定。ごはんと具材がセットになっており、ごはんは具材の水分で食べられる状態になるのだそう

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美味しさ部門のグランプリには届かなかったものの、優秀賞の「はらくっつい TOHOKU」シリーズの心意気に感動しました。はらくっつい TOHOKUシリーズは、2014年にスタートした三菱地所が手がける東北・宮城県の復興支援プロジェクトで生まれたフード。宮崎県の生産者や水産加工会社と名だたるシェフたちが協力して作りあげたところもすばらしいですが、小さいため本来ならば捨てられてしまうムール貝など、売り物にならないような食材を積極的に使っている点も見事です。

はらくっつい TOHOKUシリーズには、気仙沼・石巻の食材が使われています。保存期間は製造から3年間

はらくっつい TOHOKUシリーズには、気仙沼・石巻の食材が使われています。保存期間は製造から3年間

「石巻産銀鮭のクリームスープ仕立て」を試食させてもらいましたが、完全に防災食のレベルを超えています。出汁がいいので、味わいが半端ない! 優秀賞でこの味ということは、グランプリの「IZAMESHI」シリーズはどれほどのおいしさなのでしょうか

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防災食では缶に入ったパンも有名ですよね。この形状のものが登場した当時に試食したことがあるのですが、パサパサ感は否めませんでした。なんでも、パンを日持ちさせるためには生地の水分を減らさないといけないのだそう。しかし、近年は研究による改良のおかげで缶のパンもしっとりとしたものが増えています。いくつかのメーカーが缶入りパンを紹介していましたが、筆者はボローニャのパンが気に入りました。

缶入りパンといえば、「缶 de ボローニャ」のようなデニッシュタイプが多いです

缶入りパンといえば、「缶 de ボローニャ」のようなデニッシュタイプが多いです

「缶 de ボローニャ」は製造から3年間の保存ができますが、もっと長持ちさせたいなら「備蓄 de ボローニャ」を選びましょう。備蓄 de ボローニャの保存期間は5年。さらに、缶の中のパンは2つに分かれており、小分けで食べたい人にもうってつけ。パンの種類もブリオッシュタイプとなります。しっとりして、口の水分を奪われるような感覚があまりないのも◎

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パンでなく米派の人には、「尾西の携帯おにぎり」をぜひ! 袋の中にお湯または水を入れると、三角形のおにぎりが出来上がります。保存期間は製造より1年2か月以上。

わかめ、五目おこわ、鮭の3種類から選べます。お湯を注いだ時は15分、水では60分待ってください。すると…… 

手で握らずとも袋の中でおにぎりが完成! 封を切っても一部袋が残るため、手が汚れません。実際にいただきましたが、筆者所有の炊飯器で作ったおにぎりよりおいしいです

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食べ物も大切ですが、何より必要となるのは水。一般的な備蓄用の保存水は賞味期限が5年でした。近年は10年間保存できる水も出てきましたが、12年保存可能な「DSW PREMIUM 12YEARS」(ユニーク総合防災)が備蓄するには最強。DSW PREMIUM 12YEARSは水深374mの海洋深層水を除菌し、高温殺菌で無菌状態の水にします。その後、85℃まで水温を下げ、耐熱ペットボトルに充填することで12年という長期保存を実現。

500mlと2,000mlがラインアップ

500mlと2,000mlがラインアップ

ペットボトル内に空気が残っていないのも、長く保存できるポイントです

ペットボトル内に空気が残っていないのも、長く保存できるポイントです

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>> 発見! いざという時に役立つ“ワザあり”防災グッズ の元記事はこちら