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合コンでもらうタク代を使わず、翌日のランチ代にーー。合コンや飲み会などで終電を逃し、帰る際の交通手段として渡されたタクシー代を生活費に充てる「タク代女子」が、「貧困女子」の1パターンとして、ネットで話題になっている。

一緒にお酒を飲んだ相手の男性から、「タク代」として渡されたお金を使わず、電車の始発を待って帰るため、その差額分が生活費となる仕組みだ。このような手法で、働かずに1日5万円ほどの「収入」を稼ぐ女性もいる。

「タク代」を懐に入れることを繰り返していると、いろいろな人に噂が広まり、バレてしまう可能性もありそうだ。もし、異なった使い方をしていることが相手の男性にバレて、「使わないなら返して!」と言われた場合は、返金する義務はあるのだろうか。足立敬太弁護士に聞いた。

●もらったお金の使いみちは自由、ただし、「ウソ」をついてもらった場合は・・・

「『現金をあげる』『現金をもらう』というやりとりは贈与契約です。あげた者が使いみちを決めて贈与したのであったとしても、もらった者はその使いみちに拘束されません。実際にどのように使うかは、もらった者の自由です。

なので、タクシー代としてもらった現金を実際にタクシー代として使わなかったり、タクシー代として支払った余りを食事代など別の使途に使ったりしても、いずれも法律上は何の問題もありません。

したがって現金をあげた者から『返せ』と言われても現金をもらった者は返す義務はありません」

自宅まで徒歩で帰宅可能だったのに、そのことを黙って、「終電を逃したのでタクシーを使わなければ帰宅できなくなった」と述べてタクシー代を出してもらったというケースもあるようだが、こうしたケースはどう考えればいいのか。

「その場合は別に考える必要があります。

だまして現金を出させたことになるので、お金を渡した人は、民法96条1項の『詐欺取消』が可能だと考えられます。『お金をあげる』という贈与契約をなかったことにできるわけです。

したがって、現金をあげた者は、もらった者に対して取消権を行使した上で、タクシー代として渡した現金全額を返してくれと請求できます」

足立弁護士はこのように分析していた。

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
足立 敬太(あだち・けいた)弁護士
北海道・富良野在住。投資被害・消費者事件や農家・農作物関係の事件を中心に刑事弁護分野も取り扱う。分かりやすく丁寧な説明だと高評価多数。
事務所名:富良野・凛と法律事務所
事務所URL:http://www.furano-rinto.com/