会社の規模が大きくなればなるほど、従業員の健康管理にまで目を配るというのはなかなか難しいことですよね。無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、泊まりがけの研修後に急死した社員の遺族が、その責任が会社にあるとして起こした裁判を例に、企業が関わるべき「従業員の健康管理」について解説しています。

社員の健康管理に会社はどこまで関わるべきか

最近、「痛風」を身近で感じる出来事がありました。実は、私の知り合いが痛風になったのです。なった当日のことを詳しく聞いていると(足が骨折したような激痛が走ったそうです)他人事とはとても思えず、自分も気をつけなければと思いそれ以来、ビールの量を少し減らすようになりました(痛風はビールだけが原因ではないようですが)。

私は「健康管理」というのは以前から割と気をつけてきたつもりではありますが、独立してからは、さらに気をつけるようになりました(とは言え、まだまだできていないことも多いですが)。

これは個人の話だけでなく会社にとっても社員の健康管理を適切に行うことは非常に重要です。それを行わずに社員に万が一のことがあったら、会社が責任を問われることもあるからです。

それについて裁判があります。ある電話会社で、宿泊を伴う研修に参加中の社員が、自宅に帰宅後に急性心筋虚血で死亡しました。そこで、その社員の遺族が会社を訴えたのです。

では、その結果どうなったでしょうか?

会社が負けました。「会社は、本人の負担を考え研修に参加させるかを考慮すべきであった」とされたのです。

実は、この社員は以前に心筋梗塞を患ったことがありました。また、30年以上、喫煙をしており高脂血症も併発していました。さらに、

研修前の勤務において、残業が多く疲労がたまっていた2ヶ月以上にわたる研修で2〜4人と同室で宿泊していてストレスがたまりやすい状況であった

などの状況がありました。以上のことから「研修に参加させることにより、同人(死亡した社員)が急性心筋梗塞等の急性心疾患を発症する可能性が高いことを少なくとも認識することが可能であったというべきである」とされたのです。

さて、みなさんはこれについてどう考えるでしょうか? 「健康管理は自己責任だ」「そこまで会社が管理しないといけないのか」と感じる人もいるかも知れません。確かに「健康管理は自己責任」については私も同じ意見です。社員であれば、万全な状態で仕事に取り組めるように、当たり前に健康管理をすべきです。

ただそれは、会社は健康管理をしなくて良いという意味ではありません。会社も社員と一緒に健康管理をしていく必要があるのです。

例えば、みなさんの会社で健康診断の結果はそのまま社員に渡し、結果を確認していないところは無いでしょうか? 会社は健康診断を行えば良いだけではなく、その結果によってはそれに応じた考慮もしなくてはならないと法律でも定められています。それを手間と考えるか社員のためと考えるか、それとも会社と社員のためと考えるか。

私は「会社と社員のため」と考えます。社員が健康に働ければ上記の裁判例のような万が一のリスクを回避できるだけでなく生産性もあがり、業績向上にも繋がるからです。もし、まだできていないところがあるのであれば早速取り組んでみてはいかがでしょうか。

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『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』

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企業での人事担当10年、現在は社会保険労務士として活動する筆者が労務管理のコツをわかりやすくお伝えいたします。

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出典元:まぐまぐニュース!