7月14日から開幕した韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)ツアーの「BMWレディース・チャンピオンシップ」に出場しているアン・シネ。彼女は、常に関係者や取材陣の前で笑顔を絶やさないことで有名だ。ところが、今大会では彼女の笑顔が消えつつあり、周囲から心配の声が上がっている。

その原因はズバリ、彼女の父であるアン・ヒョジュンさんにある。今年の初めに膵癌が発覚し、現在闘病中なのだ。

父はアン・シネにとって最も心強い存在。娘が大会に出る時はいつもそばでエールを送ってくれていた。

3月に出場したベトナム大会の最中に父の知らせを聞いたアン・シネは、絶望的な気持ちを味わったという。彼女は語る。

「家族は母と父と私の3人だけなんです。だから一人でも病気になるとものすごく心配になり、家族みんなで痛みを感じます」

実は、アン・シネの家族が病に苦しむのは今回が初めてではない。

「5年前も母が乳がんとなり、手術を受けました。今年やっと完治判定を受けて家族みんな喜んだのに、今度は父が…」

涙を堪えながらそう打ち明けたアン・シネ。大手術を受けた父ヒョンジュンさんは、幸いなことに少しずつ回復しているというが、健康が万全な状態ではない。

それでも今回の「BMWレディース・チャンピオンシップ」にも足を運び、娘を応援しているのだから頭が下がる。

その思いが届いたのだろうか。アン・シネは初日を5アンダー、67打、3位タイという好調な滑り出しを見せた。

彼女は言う。

「今まで両親が大会に付き添ってくれましたが、どういうわけか両親の前で優勝したことはありません。今回、父がせっかく見に来てくれています。だからか、今日は良いプレーができてそれなりの成績も残せました。(父が)私のそばにいる時に、優勝する姿をお見せしたい。今週も良いけど、なるべく早く優勝したいですね」

その華麗なる外見のせいで、アン・シネはときにこんな誤解を呼ぶこともある。

「見た目だけのゴルファー」「ルックスにばかり神経を使う」「実力は二流」など。

しかし、アン・シネはここ8年間シードを失ったことは一度もなく、優勝も3回を数える。激しい競争がくり広がるツアーの現場で、それなりの努力もしてきた。だからこそ、彼女に迷いはない。歩んできた道を自負している。

「ゴルフ以外のことに興味があると思われがちですが、私は誰よりもゴルフを愛し、良い成績を出した時には快感も感じます。私の好成績に家族みんなが誰よりも喜んでくれる。努力がなかったらここ8年間、ツアーで生き残れなかったはずです」

家族への想いをバネに、今よりもっと強くなるアン・シネの姿を期待したい。

(文=S-KOREA編集部)