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ソフトバンクグループであるBBIXとビッグローブは7月14日、都内で記者会見を開き、アット東京の中央センター(CC1)においてそれぞれ新たな拠点を開設し、接続サービスの提供を開始すると発表した。

○IX事業者として日本をアジアのハブにするBBIX

BBIXはアット東京のCC1に東京都内5カ所目、全国9カ所目の接続拠点となる「BBIX 東京第5センター(東京第5センター)」を開設。東京第5センターは、大手コンテンツ事業者と国内ISPの円滑なデータトラフィック交換を図るため新設するもので、アット東京のデータセンターサービスを利用するISP、データセンター事業者、金融機関、企業などを対象に顧客間のデータトラフィック交換といった相互接続ポイントの提供を行う「IX コネクトサービス Lite」を開始する。

BBIX 企画部 企画課 課長の佐々木秀幸氏は「われわれはIX(インターネットエクスチェンジ)事業者として日本をアジアのハブにすることを目指しており、日本での接続環境を整備することでアジアのインターネット業界に貢献していく。しかし、国内で理想的なネットワークを構築したくても実現できていない現状があり、大手町、品川など一部の地域にデータセンターが集中していることや、自由度の高い接続性が確保できないこと、英語の対応が可能なプロバイダが少数だ」と課題点を挙げた。

そのような状況を踏まえ、同社では課題の解消が図れるCC1への拠点設置を決定したという。東京第5センターは、BBIXが都内に設置しているほかの4センターと広帯域回線で相互接続しているため、各センター間のデータトラフィックが可能。また、国際間接続サービス「US 延伸」や「Smart IX」などの付加サービスを利用することで、米国、香港、シンガポールのインターネット事業者にも直接接続ができる。

○安定通信と海外接続の拡張を図るビッグローブ

ビッグローブはISPサービスの安定した通信と、海外への接続を拡張するため、アット東京内で接続拠点を開設する。キャリアやIX、クラウド事業者、CDN(Contents Delivery Network)などと、同じデータセンター構内で接続できることにより、同社の安定したサービス提供が実現できるという。

ビッグローブ システム基盤本部 マネージャの川村聖一氏は「近年、クラウド事業者とのトラフィックが急増しており、安定的な通信を実現するためにバックボーンの強化と、ネットワークの接続性に優れたデータセンターの活用が重要になる。具体的にはネットワーク用データセンターを活用したコンテンツ・クラウドサービスとの接続強化とIXの接続強化、海外(特にアジア)との接続強化だ。今回の拠点新設によりトラフィック増加への対応に加え、グローバルビジネスを拡大していきたいと考えている」と接続拠点を設置する意義を説明した。

CC1はダークファイバーなど、さまざまなキャリア回線が集まっているため、ほかのデータセンターや世界の主要都市とダイレクトに接続することで、拡張性の高いネットワークを構築することが可能になるという。また、大容量でも国内外への遅延が少ないインターネット接続を提供するビッグローブの「IP トランジット」を同センターの利用者向けに展開していく。

BBIXとビッグローブは、アット東京を活用することでアジアから日本に進出する通信事業者に対して、ワンストップでインターネット接続環境を構築できるソリューションを提供する。BBIXのUS 延伸およびSmart IXと、シンガポールを拠点とするBIGLOBEのグループ会社であるFullrouteのコンサルティングサービスを組み合わせることで、さまざまな通信事業者のニーズに対応していく方針だ。

○トラフィック集積拠点としてのCC1

CC1は2001年に運用を開始し、総床面積約14万平方メートルの建屋を構え、収容ラック数は約1万5000ラックと大規模なデータセンターだ。電源は3系統受電+非常用発電機を備え、堅牢性と1ラック〜1部屋のサービスメニューを有する拡張性のほか、キャリアニュートラルであり、営業・技術・運用におけるバイリンガル対応などが特徴として挙げられる。

一方、キャパシティの限界で設備の新設または増強が困難なため、拡張性に上限があるほか、障害や災害発生時における災害リスクの増加による拠点の過度な集中化がトラフィック集積拠点の課題だ。

そのような課題に対し、同社は国内外通信キャリアPOPの積極的な誘致やインターネット利便性を求める顧客の誘致に加え、IX事業者やISP事業者によるインターネット接続性の強化を図る取り組みを進めている。今回、BBIXとビッグローブが拠点を開設することでトラフィック集積拠点として顧客の利便性が高められるという。

アット東京 常務執行役員 ソリューション本部長の小笠原寛氏は「インターネットのトラフィックは2005年からの10年間で16倍に拡大し、事業者は設備の増強をしなければならないが、中には設備の増強が難しいデータセンターもある。CC1は国内最大級の規模であり、事業者はスペースを気にすることなく使用できる。今回、BBIXとビッグローブが加わることで、インターネットの集積拠点として形成が進むだろう。今後もインターネットの接続性を高め、ビジネスで活用してもらいたい」と力を込めた。

(岩井 健太)