着くずれしない浴衣の着付け&トイレでの着くずれ防止策(女性編)

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まもなく海の日もやってきて、夏休みがスタートするという学生さんも多いことだろう。夏といえば、夏祭りや花火大会。そういったイベントで浴衣を着るのが楽しみではないか。だが普段着慣れない浴衣を着ることで、失敗をしてしまうことも多いはず。

「教えて!goo」で「あなたの浴衣での失敗エピソードがあれば教えて!」と聞いたところ、予想通り様々な失敗談が寄せられた。

やはり皆さん、きちんと浴衣を着ることができていない模様。そこで、きものコンシェルジュの田村祐子さんに、着物に慣れていない女性でも失敗しない浴衣の着付けの仕方について聞いた。

■正しい着付けが基本

はじめに、着くずれを起こさないためにはどうすればよいのかを聞いた。

「きちんと正しく着付けること、これが一番です。きちんと着付けられていればお手洗いなどの日常的な動きでくずれることはまずありません。ポイントとしては、上前は広すぎない幅にすること、下前の裾はつぼまるように着ることです。さらに、裾の先端部分になる褄先(つまさき)を、下前は裾から10cm、上前は5cmほど上げると、フレアースカートのようにならないため、お手洗いに行っても着くずれにくくなります」(田村さん)

上前は着物の前を合わせたときに、上側になる左側の前身頃で、下前は右側のことだ。全体に裾つぼまりに着ることで、歩いたりしても着崩れしにくくなるのだ。

「腰ひもは自分が苦しくないところでしっかりと締めますが、暑くても必ず肌襦袢(じゅばん)の上にタオルなどで補正をして腰ひもが身体に食い込むのを防いでください。このひもがゆるいとズルズルと落ちてきて着くずれの原因になります」(田村さん)

ひもが身体に食い込むと、身体がその苦しさから逃れようと無意識にもがくので着くずれにつながるそうだ。下着はできれば浴衣用スリップなどではなく着物用の下着の肌襦袢(じゅばん)と裾よけを着ると汗を吸ってくれるので、足の運びもよくなり、浴衣がからみにくいとのこと。

■お手洗いではここに注意しよう

さらに、お手洗いに行く際に注意することを聞いた。

「浴衣の裾を上げるときは、裾よけごとにします。両方の裾を持って、浴衣を包み込むように思い切り持ち上げると失敗がないです。下げるときは、まず裾よけを下げて整え、次に浴衣を下げて整えます。自然と下がる位置に戻せばOKです。紐がゆるい場合、強く引っ張ると浴衣が落ちてしまうこともありますので、注意してください」(田村さん)

上げるときは裾よけごと、下げるときは順番にということだ。裾を整えたら、おはしょり(女性の着物で、着丈より長い部分を腰の辺りでひもで締め、たくし上げること。また、その部分「goo辞書より」)の位置も確認しよう。裾を上げたときに、おはしょりが前後とも上がってしまうことがあるそうだ。

「手を洗うときの水はねや、濡れていることが多いシンクにもたれたり、近づき過ぎたりして、浴衣を濡らさないように気をつけてください。また、蛇口に袖がふれて急に水が出たりすることもありますので注意してください」(田村さん)

パリッと糊をきかせた浴衣も、濡らしてしまっては台無しだ。シャワートイレを使って浴衣を濡らしてしまうこともありがちなので気をつけたい。

「ふだんの感覚と違うので、うっかり袂(たもと)をドアノブに引っ掛けてしまうこともあります。浅めのショーツを履くようにすれば、腰ひもや帯と重ならず脱ぎ履きが楽です」(田村さん)

裾を思い切りまくる必要もあり、また、大きな袖を引っ掛けてしまう可能性もあることから、できれば広めのお手洗いを利用する方がよいようだ。

■着くずれを直すのは、素人には難しい?

気をつけていたけど着くずれてしまった……。そんなときは、どう対処すればよいのだろう。

「着付けができない人が直すのはなかなか難しいです。どこに何がくるのが正しいのかがわからないと直しようもありません」(田村さん)

崩れないように、きちんと着付ける。これに尽きそうだが、素人でもどうにか直せそうな襟の部分について教えていただいた。

「襟の合わさる部分が開きすぎるなどくずれてしまった場合は、上前は右手、下前は左手を身八つ口(身頃の脇のあき部分)から手を入れ、襟の端をつかんで右手は右方向、左手は左方向に、身体の外側にそっと引きます。胸元が喉の下のくぼみの辺りで、同じ角度で合わさるように調整します」(田村さん)

下に引っ張ると余計にはだけてしまうので横に引くようにというのが、田村さんのアドバイスだ。

まずは正しく着ること、暑くても着物用の下着をちゃんとつけることがポイントだ。さらに、お手洗いでは動作に十分注意して、楽しく夏のイベントを過ごして欲しい。

●専門家プロフィール:田村 祐子(たむら ゆうこ)
きものコンシェルジュ・森田空美きもの教室日本の装美学院一級講師。自身の教室では美しく着心地良い着付けを紹介する他きものの所作、マナーなども教える。きものイベントも開催、きものの楽しみ方も発信している。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)