Google Chromeは、今は人気のWebブラウザになり、多くの人が使っている。
拡張機能も多く便利だし、動作も快適だが、使い続けていると、動作が重くなったと感じることもある。

Chromeの動作が重いのは、複数仕込んだ拡張機能のせいなのではないか、と疑いたくなることがある。
もちろん、Chromeの問題なのか、ネットワークに問題があるのか、はたまたアクセス先のサーバに問題があるのか、真実はわからないが。

先日、筆者が遭遇したのは、1GB超のファイルをダウンロード中に、普段通り複数タブを開いて作業していたところ、オフラインGmailのバックグランドページとして空白ページが突如現れるという現象が発生した。
何かよくないリンクでも踏んだかとちょっとギョッとしたが、該当の空白ページを閉じた。
しかし、しばらくするとまた出てくるという具合で、作業に集中できない。

◎便利さとリソースのトレードオフ
実際、使用しているPCのリソースがプアな場合、Chromeの拡張機能のバックグラウンド処理が、パソコンの少ないリソースを圧迫することがある。

気になる場合は、Chromeのタスクマネージャで、いったん拡張機能をオフにすることができる。
ウィンドウ右端の「Google Chromeの設定」から「その他のツール」に進み、「タスクマネージャ」で、現在動いているプロセス(処理)を確認することができる。そこで、当座は要らないものを切っておけばいい。

これは、ChromeストアからダウンロードしたChromeアプリも同様だ。

たとえば、何らかの通知をプッシュで表示するようなアプリは、その動作をバックグラウンドで行うことがある。
こうしたアプリは、Chromeを閉じた状態でも動作している。
やはり、便利な反面、リソースを圧迫する場合もある。

バックグラウンドアプリは、「設定」メニューから「詳細設定を表示」に進み、「システム」の項目で「Google Chromeを閉じた際にバックグラウンドアプリの処理を続行する」のチェックを外すことでオフにすることができる(Chromeの再起動が必要)。

ただし、中にはバックグラウンドで処理がされていることで便利に使うことができる機能もある。
基本的には、便利さとリソースはトレードオフだと認識しておこう。
状況に応じて、機能を切ったり、調整したりすることが必要になる。
そのあたりは、臨機応変に、使う側が自由に設定すればいい。

ブラウザ戦争はまだまだ続く!?
Chromeのこうした「バックグランド処理でリソースを消費」という方向性はいつまで続くのだろうか。

便利な機能を入れましょう、バックグランドで処理させるのでユーザーにもっと便利な機能を提供できます、というのは、そろそろ代替する何かが現れそうだ。

いまではあまり「ブラウザ戦争」とは言わなくなった。
しかし、これまでも、NetScapeしかり、Firefoxしかり、巨大化することで、人気ブラウザが後発の軽いブラウザにシェアを奪われてきたという流れがある。

Chromeは、Googleが提供するサービスとのシームレスな連携であったり、モバイルデバイスとの同期でなったり、大きな利点はあるが、使う側の「重い動作」への反発は意外に根強いものがある。

Net Applicationsの発表によると、2016年6月のデスクトップブラウザのシェアでは5月に続いてChromeがトップ。その成長傾向は続いているという。

しかし、Chrome以外のブラウザでは、すでに新しい動きが出てきている。
Safariは、VPNや広告ブロック機能でセキュリティを強化という方向性をうちだしている。
また、Firefoxは、コンテナ機能を開発中だ。コンテナ機能とは、使用状況にあわせて、ブラウザが通信に使う情報の類いを使い分ける機能だ。たとえば、仕事用のGmailアカウントとプライベート用をログアウトなしにタブで切替えるということ。

第何次になるかわからないが、ブラウザ戦争はまだまだ続くということ。
以前よりも、ブラウザベースのサービス、しかもモバイルデバイスとの同期が重要になっているので、そこをうまく機能にして提供してくるものがあれば、簡単にシェアが変わることもありそうだ。

ざっくり...
◎Chromeの拡張機能がリソースを圧迫している場合、タスクマネージャーでオフにできる
◎ユーザーはリッチな機能による便利さとリソースのトレードオフで使い分けることになる
ブラウザの役割が大きくなってきている今、よりブラウザ戦争は熾烈になりそうだ

大内孝子