乳がんを見つけにくい胸がある!アジア女性に多い「デンスブレスト」って?
【乳がん特集 Vol.1 デンスブレスト】

 先月、小林麻央さん(33歳)が進行性乳がんを患っているという衝撃的なニュースが飛び込んできましたが、この一報をきっかけに乳がん検診への関心を強めた30代女性は多いのではないでしょうか。

 でも、マンモグラフィなどの検診で“乳がんが見つけにくい胸”が存在する、という衝撃的な事実をご存じですか?

◆腫瘍を隠す「デンスブレスト」

「実は女性の中には乳がんが見つけにくい胸、『デンスブレスト』の方が多く存在します。デンスブレストの場合、マンモグラフィで検診を行っても異常を発見するのが難しい場合があるんです」(東京クリニック・志賀千鶴子先生、以下同)

 志賀先生によると、デンスブレストとは『高濃度乳腺』の胸を指すそうです。つまり乳房内の脂肪が少なく、乳腺の量が多い胸のこと。通常マンモグラフィの画像では、乳房内の脂肪部分は黒く、乳腺部分は白く分かれて写ります。ですが実際にデンスブレストの画像を見せてもらったところ、胸の内部がほぼ真っ白に写っていました。

 重要なのは、乳腺同様、腫瘍や石灰などの異常個所も白く写るという点です。つまりデンスブレストの場合、異常が乳腺に隠れて見逃されてしまう危険性が高いというわけです。なんと、アジア系の女性は50歳未満の8割近くがデンスブレストだとする調査も。

⇒【調査結果の詳細】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=548051

 具体的には、どのような女性がデンスブレストになりやすいのでしょうか。

「胸の大きさや年齢から判別するのも難しいですね。小さな胸は脂肪が少ないためデンスレストになりやすいですし、反対に胸が大きく、そもそもの乳腺量が多い女性もデンスブレストになる場合があります。年齢でいえば、若いうちのほうが乳腺量は多い傾向にありますが、40代以降でも乳腺量が高い女性もいます」

⇒【画像】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=547778

◆画像判別不可能が“異常なし”の診断に…

 つまりデンスブレストの場合、定期的に乳がん検診を受けていても、異常を見過ごされている可能性があるということ。なぜこれまでデンスブレストに対して、あまり世の中で認知されてこなかったのでしょうか。

「私たち医師は、日本医学放射線学会によるマンモグラフィガイドラインに基づいて検診・診断を行っています。ここでは、乳がんの危険性をカテゴリー1(正常)から5(癌)に分けて判別することがルーティンになっているのですが、実はそこに含まれない『カテゴリー0』というものが存在するんです」

 アメリカ放射線専門会では、カテゴリー0として「撮影不十分、他の画像検査を追加して評価」という項目が存在します。しかし現状日本の乳がん検診では、正常か異常かの評価にすべての症状を振り分けています。その結果、デンスブレストのような、画像に異常が映りにくい胸に対して個別に対応しきれていないというのです。

「なかには、デンスブレストであることを本人に伝える医師もいます。ただそれは規則ではありません。私の過去の経験では、マンモグラフィで異常なしと判断された女性を触診したところ異常を発見し、エコーを撮ってみると乳がんが発見されたケースもありました」

◆乳がんリスクを避ける効果的な検診とは

 ということは、マンモグラフィより超音波検診(エコー)を優先した方が安心なのでしょうか。

「エコーでも乳腺が白く、脂肪が黒く写るのですが、腫瘍が黒く写るので、結局判別しにくいことに差はないんです。またエコーの場合、技師による技術の差がありますのでなんとも……。

 理想的なのは、触診、マンモグラフィ、エコーと段階を踏んで検診をすることでしょうね。ただ現実問題として、そこまで慎重にやるかどうか、という問題があると思います。経済的にも精神的にも負担の掛かることですから。