ただのトラウマ!子どもの心を閉ざす「鬼が来るよ」のNG使用法

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お腹が空いたら食べる、眠くなったら寝る、遊びたくなったら遊ぶ。子どもって、純粋な好奇心と本能のかたまりですよね? それは、とても素敵なことです。

でも一方で、好奇心と本能のままだけに行動してしまうと、友達に迷惑をかけたり、嫌われたりすることもあります。なので親としては、時に厳しい心で、子どもに「それはやっちゃダメ!」と教えなければなりません。

そんなとき、「〜しないと鬼がでるよ」「〜しないとお化けが出るわよ」のように、恐怖を与える形で、しつけをしていませんか?

こんな風に恐怖を植え付ける教育方法は、使い方によっては子どもの成長にプラスに働き、間違えると悪影響を与えてしまうというのです。具体的にどんな使い方をすれば良いのか、あるいは悪いのか? 心理カウンセラーの玉川華世さんにお話を伺ってきました。

 

■“鬼”の上手な使い方

「〜しないと鬼がでるよ」といった恐怖を与えるようなやり方には賛否両論ありますが、うまく使うと、子どもの健全な心の成長を促すことができるのだそうです。

玉川さん曰く、

「小さいうち、子どもは、白か黒か(100か0か)で、ものごとを考えます。例えば、おいしいご飯をつくってくれるやさしいお母さんと接すると、子どもは“お母さん=いつでもどこでも100%やさしい、真っ白な人”と認識します」

とのこと。

しかし、お母さんは、やさしいばかりではいられません。子どもが言うことをきかない時は“やめなさい!”と、大きな声をだすこともありますよね?

「すると子どもは、毎日やさしくしてくれていることをぽんっと忘れて、“大声で怒鳴るお母さん=いつでもどこでも100%冷たい、真っ黒な人”と認識します。

しかし小さい子どもは、同じお母さんに“やさしい(白い)とき”と“怒鳴る(黒い)とき”の両方があるということが認識しにくかったりします。そうすると子どもは“本当のお母さんはどっちなんだろう?”と不安になってしまうのです」

そんな風に、極端にものごとを考えてしまう時期には、子どもを叱る“怖い顔で怒鳴る黒い役”を、鬼やお化けなど第三者にするのも1つの手段。

そうすれば、子どもの中で“やさしくて頼りになる(白い)お母さんやお父さん”が、しっかりと育ちます。それは、子どもの中で、親への無条件の信頼感となり、ここが一旦しっかりと育つと、その後グレーな状態(やさしいお母さんも、怒鳴るお母さんも、同じお母さんであること)を認識できるようになるそうです。

白黒はっきりつけられないものを、認識できるようになるのは、健全な心の成長の一つ。恐怖を与える教育に後ろめたさを感じていた親御さんも、これなら安心して「〜しないと鬼がでるよ」と言えるようになるのではないでしょうか。

 

“鬼”のダメな使い方

一方で、子どもの心の成長に悪影響を与えるパターンもあるそうです。違いは何なのでしょうか?

「例えば、“鬼が出てきても、お母さんは助けないからね!”と、“怖い(黒い)鬼”と“助けてくれない(黒い)お母さん”みたいな状態ができてしまう。

このように、子どものそばに“やさしい(白い)役”がいない状態で、“怖い(黒い)役”ばかりにすると、子どもはその恐怖を受け止めて消化しきれず、心の中が孤独や不安でいっぱいになります。」

なるほど。誰にも受け止めてもらえない、助けてもらえない孤独や不安は子どもの心をむしばむのですね。

“いつなんとき、敵に襲われるかわからない……”“襲われたら、無力な自分には、何もできない……”そんな恐怖でいっぱいになった子どもは、少しでも自分の心を守ろうと、心をぎゅっと固くしてしまうのだそう。

「ぎゅっと固められた心には、他人のやさしさや思いやりなど、他者からの愛がなかなか届かず、心を成長させるための栄養が不足しがちです。場合によっては、このままトラウマにもなります。

こういう状況では、心はちぢこまってしまい、ほとんど成長できません。

また、怖い気持ちに支配されてしまい、なぜ自分が怒られたのかなどを落ち着いて考えることもできなくなるので、同じ失敗を繰り返してしまうようになるのです」

とのこと。

しつけで鬼を登場させる場合には、必ず守ってもらえる安心な場所を用意しておくことが必要なんですね!

確かに誰も助けてくれないという不安は大人の私たちでも想像するとゾッとします。子どもの頃にこんな風な不安を覚えたらトラウマになってしまうのもわかります。

 

いかがでしょうか? 恐怖を与える教育方法は使い方次第ではすごく効果がありますが、子どもの反応をしっかりと見守りながら実践しましょう。でないと失敗して、子どもの心に傷をつけてしまう可能性も秘めているようです。

参考にしてみて下さい。

(ライター 大山奏)

 

【取材協力】

※ 玉川華世・・・家族や友達との関係で、多くの傷つき体験を持ちながら、その傷つきに気がつかず大人になり「なぜこんなにも私の人生はうまくいかないのか」と疑問を持ったところから、心理学と出会い、現在は心理カウンセラーとして活動中。以前は恋愛専門だったが、職場の人間関係をうまくまわすコツ、企業の心をつかむ転職活動のやり方、子どもの心を豊かにする接し方など、最近は、幅広いテーマを扱っている。『男と女の成長心理学』

 

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