ソフトバンクの「アメリカ放題」キャンペーン、ひっそりと終了…

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ソフトバンクが提供している、渡米時にスマートフォンの通話やデータ通信が使い放題になる「アメリカ放題」の無料キャンペーンの終了を知らずに、サービスを利用したユーザー宛てに高額な請求書が届いていることがわかった。

インターネットには、高額請求があったとみられるユーザーと、ソフトバンクのカスタマーサービスとのやり取りなどが公開されており、注意を呼びかけている。

ソフトバンクならではのサービスで大好評

ソフトバンクの「アメリカ放題」は、「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」などのユーザーを対象に、同社が2013年6月に買収した米Sprintのネットワークを利用して、米国本土やハワイなどの滞在時のスマートフォンによる通話やSMS(ショートメッセージ)、データ通信が使い放題になるサービス。NTTドコモやau(KDDI)にはない、日米の事業基盤を生かしたソフトバンクならではのサービスとして注目され、サービスがはじまった2014年9月19日から、申し込み不要で「無料」の記念キャンペーンを実施してきた。

サービスの開始当時はインターネットでも、

「アメリカでもスマ放題が使えるらしいぞ。これはかなりのアドバンテージだろ」
「まじかよ!! 通話にデータ通信もならすごい!」
「国際電話代ではずい分と散財したからなあ。隔世の感があるわ。いやあ、いい時代になったもんだ」

などと、大好評だった。

そんな「アメリカ放題」サービス開始記念キャンペーンだが、ソフトバンクはスタート当初、終了期日を「未定」としていた。ところが、それを1年9か月経った2016年6月30日に打ち切った。利用者が増え、多くの人に認知されたことなどがキャンペーン終了の理由とされる。

7月1日からは、新たに月額980円の利用料金と、通話料やデータ通信料がかかるようになった。ただし、データ定額パック・標準(5GB)以上に加入するユーザーは、キャンペーン終了後も引き続き無料で利用できる(データシェアプラス、家族データシェアなど、一部のサービスに加入している場合を除くほか、課金は米Sprintのネットワークを利用した月のみ)という。

ソフトバンクは、「『アメリカ放題』の申し込みがないと、『海外パケットし放題』が適用されることになり、1日最大2980円がかかります」と話している。

「突然パケット代が1万円超えたとか、驚いた」

とはいえ、2016年6月いっぱいで「アメリカ放題」キャンペーンが終了したことで、新しい料金プランに変更されていることを知らずに国際通話などを利用。数日で数万円の高額請求が届いたという人が続出しているようだ。

インターネットでは、複数のツイッターユーザーが、

「ちょっと注意喚起。ソフトバンクの『アメリカ放題』、今まで申し込み不要でかけ放題無料だったけど、これは期間限定キャンペーンで6月30日に終了。7月1日からは自分で申し込みが必要。うちのカミさん、ずっとかけ放題だと思ってアメリカに行って、7月1日だけで16000円の請求(笑)」
「『アメリカ放題』がいつの間にか無料キャンペーンを終了していたらしい。突然パケット代が1万円超えたとか来て驚いた!ていうか、申し込みしている人には連絡してほしかった」

と投稿。米国で長く暮らすユーザーからは、

「日本にいない状況でSoftBankのHPやCMを毎日確認できる訳もなく、6月で勝手に『アメリカ放題』が自動で使えなくなり数日で数万円の請求... あまりにもひどいのではないでしょうか?」

と、困惑する声が寄せられている。

なかには、高額な請求書を受け取ったユーザーが支払い免除を求めたり、しぶしぶ支払いに応じたりする人の声が混じっていて、どうやらキャンペーンの終了が伝わっておらず、ユーザーには「突然」打ち切られた印象が強いようだ。

ソフトバンクによると、「キャンペーン終了」の案内は2016年6月7日からホームページで告知しているほか、6月24日時点で渡米しているユーザー宛てにはSMSで知らせている。さらに、6月24日以降に米国に到着し、Sprintのネットワークを利用したユーザーに対しても「メールが飛ぶようになっています」と説明する。

しかし、

「これはアカンでしょ。ろくな案内もなしに無料キャンペーン終了って、返金が認められそうな気もするけど...」
「こんな重要な変更、加入者全員にSMS送ってもいいくらいなのに。ウェブで告知してるから知ってるはずって、気がふれてるとしか思えん」
「あれだけ宣伝しといて黙って終わらせたんか。やることがえげつないな」

と、怒りや呆れる声が多く寄せられている。

一方、国民生活センターによると、ソフトバンクに限らず、携帯電話キャリアの海外通話をめぐる高額請求のトラブルは少なからずあるという。

たとえば、海外旅行のときに着信であれば無料だと勘違いして利用して請求書が届いて驚くケースや、契約時に定額通話の除外項目を確認していなかったり、説明を受けたのに忘れて利用してしまったりするケースなどがみられる。

同センターは、「まずは契約時などに、海外旅行で使うことをきちんと知らせて説明を受けることをオススメします」と話している。