日本で多くの人に愛されている中国の歴史物語といえば、「三国志」だろう。その人気ぶりは、本場中国を上回ってさえいるかもしれない。個性豊かな登場人物が数多と登場し、活躍する点も、この時代の物語をより魅力的にしている要因と言えるだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本で多くの人に愛されている中国の歴史物語といえば、「三国志」だろう。その人気ぶりは、本場中国を上回ってさえいるかもしれない。個性豊かな登場人物が数多と登場し、活躍する点も、この時代の物語をより魅力的にしている要因と言えるだろう。

 中国メディア・今日頭条は13日、「日本でもっとも崇拝されている三国武将は、関羽でも趙雲でも張飛でもなく、彼だった」とする記事を掲載した。記事は、日本で以前発表された「好きな『三国志』の登場人物ランキング」で呂布が諸葛亮、劉備に次ぐ3位に入り、関羽、張飛、趙雲といった並み居る武将を差し置いて人気No.1の武将に輝いたと紹介。その理由について分析している。

 まず、日本人にとっては、忠誠を誓う対象が誰であるか、その立場が正しいかどうかは関係なく、「義理人情があり、生活のために奮闘する」人間であれば、それが「英雄」なのであると説明。呂布は高貴な生まれではないものの、乱世の中で頑張って生きてきた人物であり、「再三主人に背いても、評価に値する」のであるとした。また、呂布は十分に家庭を顧みる男であり、独り逃げることが可能だった場面で、愛する貂蝉のために命を落としたとも解説した。

 さらに、日本の伝統観念において「奮闘したけれど失敗してしまった人」を尊重、崇拝する傾向があるとも説明。その例として中国共産党との争いに敗れて台湾に逃れた蒋介石が日本人からリスペクトされていることを挙げている。呂布も生きるために努力した「失敗者」の1人であり、この点からも日本人に好かれる所以なのであるとした。

 記事は、齢わずか40にして悲惨な死を遂げた呂布が、日本人にとって「悲壮かつ孤高の英雄」であると結論づけるとともに、「日本人の呂布好きを中国人が不思議に思う所以は、単に両国の英雄に対する評価基準が異なるからに過ぎないのだ」と論じた。

 三国時代に関する文学作品やそこから派生したアニメ、ゲーム作品は、それぞれ異なった立場から、登場人物に対しても異なる位置づけを行っているゆえ、各々の人物像を1つにまとめるというのはかなり困難であると言える。結局のところ「個人の好み」というべきなのだろう。ただ、呂布については、無双の戦闘力を持つ一方で、短気で浅慮、主君を簡単に裏切るといった「ダメ人間」的な要素も併せ持っているゆえに、少なからぬ人が愛着を持つという点はあるかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)