最強エンジン搭載「天頂の囲碁6 Zen」。初心者から上級者まで楽しめる内容だ

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2000年の歴史を持つ、対戦型ボードゲーム「囲碁」。相手の石を囲んで取り、自分の陣地をより多く広げたほうが勝ちとなるルールだが、PCソフトとしてもファンが多く、その性能は日進月歩の進化を続けている。

【写真を見る】ソフトの開発者・尾島陽児氏。リラックス法は「ワインを飲みます」

そんな中、人気の対局ソフトシリーズ「天頂の囲碁」から、約2年ぶりの最新作となる「天頂の囲碁6 Zen」が6月にマイナビ出版より登場し、話題を呼んでいる。今回、同ソフトの開発者でもある尾島陽児氏にコンピュータ囲碁、人工知能について話をうかがった。

「僕は人工知能の専門家ではありませんが、“強い囲碁ソフトを作りたい”という思いが最初にあって、そのために最新技術を追いかけていたら、いつのまにか人工知能の最先端のようなところにつながったという感じです」

「まず機械学習というものがあります。たとえば文字認識で、『AならA』、『BならB』というふうに、データをたくさん入力して、その後、手書き文字などで学習データになかったものを見せても『これがA』だとわかるようにする。それが発展したものがディープラーニングです。囲碁の場合は、19×19の碁盤を19×19ドットの画像と見なして、黒・白の情報を入れていくのですが、これがかなり上手くいって劇的に強くなりました。実際にはいろいろ工夫してますが、それだけでもけっこうなところまでいきますね」

――人工知能の今後の可能性は?

「学ばせ方の工夫など、活用の余地はたくさんあります。アルファ碁(現時点で最強のコンピュータ囲碁プログラム)が先を走っていて、それを必死で追いかけているところです。常に最新の人工知能の情報を追いかけながら学んでいます」

――人工知能には学習で身に付けたものから最適解を導き出すというイメージがあるが、将来的に「意志」のようなものは身につくのか?

「将来的には身に付く可能性もあると思いますが、現在の技術では感情とか意思といったものとは程遠い感じですね。当然、人工知能の世界で研究が進んでいて、それこそ、“人間のような知能”を作ろうという動きもありますし、そういうところで結果が出てくるのではないかという予感はします」

――「天頂の囲碁6 Zen」で囲碁のこういう魅力にハマってほしいという部分は?

「囲碁って人間同士が打つと、一局のうちに必ず一回は戦いが起きるものなんです。しかし、コンピュータと打っていると、戦わないうちにいつの間にか負けてしまうことがある。コンピュータは布石がすごく上手なんですね。ひたすら正しい手を打ってきて、自分がいつの間にか損な手を打ち、そこで差がついてしまう。つまり、囲碁は“形で勝負が決まってしまう”ゲームなので、逆にそこが魅力かなと思いますね。何手も読まなくても正しい形を覚えれば勝てるところもあるので、初心者の方でも入りやすいかと思います」

――囲碁の初心者でも楽しめるポイントをもう少し教えていただけますか?

「『ひと目の詰碁』という機能が初心者の方向きですね。趙二十五世本因坊に監修いただいています。詰碁って普通は難しいことが多いのですが、一目で解けるような、つまり、一手だけを読めばできる問題が300問入っていまして、それを一目で解けるようになれば初段(レベル)の棋力と考えてよいと思います。囲碁はよくそういうことを言われますが、何回も繰り返していただくと脳の活性のトレーニングにもなるんですよ」

――前作に比べて進歩した部分は?

「強くなったというのと同じかもしれませんが、より“人間ぽく”なったというところですかね。特に序盤、布石なんですけど、石の流れというか、プロの棋譜から直接学習していますので、プロのような手をより再現できるようになりました」

――楽しみ方としてオススメのポイントは?

「テレビでの対局とかを見ながら、同じように石を並べて検討させるのも面白いかもしれませんね。たまに間違うんですけれど(笑)、どっちが優勢とかが出ますから。複雑な手とか攻め合いが絡むとあやしくなるところもあるので、その辺は今後の課題ですね」

――人間は人工知能に勝てなくなりますか?

「アルファ碁にはすでに勝てないと思います」

――人間が勝つ方法は?

「対コンピュータの攻略法はあります。ネットで打っている人たちはコンピュータの対応に慣れていて、混乱させる手をたくさん打ってきます。コンピュータは複雑な読みが苦手なので、難しい読みが必要な形をあちこちにいっぱい作るという感じです。今は、直感の部分がものすごく突出して強くなっているイメージです。“直感”というと、普通は人間のほうが得意と思われているかもしれないですが、実はコンピュータのほうが得意で、一般的なイメージとは認識が少し異なります。ディープラーニングは、まさに直感を実現する仕組みと言えますね」

人工知能を活用した圧倒的強さと、初心者でも楽しめる要素を兼ね備えた最新ソフト「天頂の囲碁6 Zen」。棋力を問わずに楽しめるこのソフトの魅力と進化を体感しよう!【東京ウォーカー】