アンドリュー・スタントン監督、リンジー・コリンズ氏(撮影:Kaori Suzuki)

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【ファインディング・ドリー/モデルプレス=7月14日】第76回アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞し、日本でもディズニー/ピクサー歴代興収No.1を記録した『ファインディング・ニモ』の続編、『ファインディング・ドリー』が7月16日に日本にて公開される。前作の冒険から1年後の世界を描く本作は、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかった“家族の思い出”を探すため、ドリーの家族の秘密をめぐって、新旧キャラクターたちが大冒険を繰り広げていくストーリー。モデルプレスは今回、その『ファインディング・ドリー』が制作された米カリフォルニア「ピクサー・アニメーション・スタジオ」で取材を行い、“夢が叶う場所ピクサー”の秘密に迫った。

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◆“一生懸命”なドリーの姿が感動を呼ぶストーリー


 
主人公はナンヨウハギのドリー。忘れんぼうのドリーが唯一忘れられなかった“家族の思い出”と、その秘密を求めて、海の生物にとっては禁断の場所である人間の世界で大冒険を繰り広げていく。その目的さえ自分で覚えていられないほど、相変わらず忘れんぼうのドリーだが、それでもあきらめないで海を泳ぎ続ける“一生懸命”なドリーの姿は、観る者に感動と勇気を与えてくれる。

今回は本作の監督を務めたアンドリュー・スタントン氏とプロデューサーのリンジー・コリンズ氏のインタビューをお届け。

◆ピクサーにおけるクリエイティブの中心人物による共同作業


 
スタントン監督は、マサチューセッツ州ロックポートの出身。カリフォルニア芸術大学でキャラクター・アニメーションを専攻して美術学士号を取得した後、1990年にピクサー・アニメーション・スタジオの9人目の従業員として入社。以来、一貫して同スタジオのクリエイティブの中心であり続け、2003年、自身の原案で共同脚本を務め、監督デビュー作でもある『ファインディング・ニモ』が記録的な興行収入を上げるとともに、ピクサーの長編アニメーションとして初めてアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した。また2008年、監督2作目となる『ウォーリー』でもアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。

コリンズ氏は、ロサンゼルスのオクシデンタル大学で外交・国際問題を専攻後、同大学を卒業して学士号を取得。ピクサー・アニメーション・スタジオには、1997年5月に入社した。スタントン監督の『ウォーリー』では共同製作を務め、ピクサーの2006年公開映画『カーズ』では、ミア(マックィーンの熱狂的ファンで、双子の小型スポーツカーの片割れ)の声優も務めるなど、これまで数々のピクサー映画でさまざまな役割で参加している。現在は、カリフォルニア州オークランド市在住で、夫と3人の子どもたちと一緒に暮らす。

◆『ファインディング・ドリー』について


 
今作について「僕たちは(前作とは)違うアプローチを取らないといけなかったんだ」とアンドリュー・スタントン監督。「まるでテレビ番組の第2シーズンのように、キャラクターがすでに存在しているわけだからね。それで、ドリーがどういう問題を抱えているかを理解するために、裏返して考えないといけなかった。でも、僕は1作目から、ドリーの心が傷ついていることを知っていたんだよ。たとえほかの人たちが、知らなくてもね。僕は、それを治さないといけないことをわかっていたんだ」と、前作の時点ですでに彼には続編へのヒントが見えていたという。
 
一方、「アンドリューは前作を観て、心配になったんだと思うの(笑)。彼の子どものような存在であるドリーについて、彼女が大丈夫かどうかということをね」と彼の心情に寄り添うリンジー・コリンズ氏。

「前作は父親の視点で(ニモの冒険を)描いていて、父親としての不安や葛藤を乗り超えるということだったけれど、今回はもう一人の子ども=ドリーについて考えて、彼女を世の中に出しても大丈夫にしたかったのよ」と胸の内を告白し、「そして、わたしたちは、まだそのことをやっていないというように感じたの。それで、ドリーが自分自身を信じて、わたしたちも彼女は大丈夫だと信じられるようにするために、ドリーにはもう1本の映画=『ファインディング・ドリー』が必要だったのよ」と制作に至った経緯を振り返った。

◆夢を叶える秘訣


彼らのキャラクターへの愛が生み出した今作。そんな2人に“夢を叶える秘訣”を聞いてみると、そこには今回の主人公、ドリーに通じるメッセージが込められていた――。

「何が秘訣かはわからないよ(笑)。でも、もっとも一生懸命働いている人たちは、適切な時に、適切な場所にいる傾向があるということを、僕は知っている。そしてそういう人たちは、とても先を見越して行動もできる人間なんだ。彼らはすでに、何らかの問題を先に考えていることがある。時には問題を見つける前にね。そういうふうに考えて働いている人には、運がめぐって来た時、その運をもっとつかみやすくしてくれるんだ。奇妙なアドバイスだとはわかっているけれど(笑)、適切なタイミングに適切な場所にいることで間違いなく、物事が都合のいい形で進むことになる過程を僕は見てきたよ」(アンドリュー・スタントン監督)

そして、リンジー・コリンズ氏は、ドリーのように“一生懸命泳ぎ続ける”ことで、いつか“偶然に”自分の夢に繋がることがあると語る。

「わたしたちは2人とも、ここで一番下から始めたと思うわ(笑)。そして、どんなことでも喜んでやったわ。もし誰かがコーヒー一杯が必要だったり、何かをコピーする必要があったりした時は、走って行ったわ。何かを手助けできたり、プロジェクトに関わることができれば、どんな機会でも喜んでやったものよ。自分がやりたいと思っている仕事とまったく関係がないように思えることでも、どういうわけか出会った人々や学んだ技術が、チャンスが到来した時に、その人にとって良く作用することになるから。チャンスが来た時、それをうまくつかむことができるようになるの。だからメッセージは、“一生懸命”働く、ということね。わたしの子どもたちにそれを言おうとするんだけど、うまくいかないわ。彼らはわたしの言うことを聞いていないのよ(笑)」(リンジー・コリンズ氏)
 
人々に夢と感動を与え続けるスタントン監督とコリンズ氏。彼らだって簡単に夢を掴んだわけではない。だからこそ、伝えたい想いも胸にためてきたはずだ。それはきっと、この夏、スクリーンを通して世界中に届いていく。(modelpress編集部)

■『ファインディング・ドリー』



日本公開日:7月16日
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:アンガス・マクレーン
製作:リンジー・コリンズ
製作総指揮:ジョン・ラセター
原案:アンドリュー・スタントン

<あらすじ>
「ファインディング・ニモ」の奇跡の冒険から1年。カクレクマノミのニモの親友で、何でもすぐに忘れてしまう、忘れんぼうのドリーがただひとつ忘れなかったのは家族の思い出。「今度は僕がドリーを助けてあげる」──ニモと父マーリン、そしてカメのクラッシュや個性豊かな新しい仲間たちも加わり、ドリーの家族を探す感動の冒険が始まる。その秘密を解く鍵は、海の生き物にとっての禁断の場所=人間の世界に隠されていた…。