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連載コラム『まるみえ家計診断! プロが教える改善のコツ』では、家計簿アプリZaim利用者の中から、家計やお金のことで悩む相談者の実際の家計簿データをチェック! お金の専門家が相談者へ改善のコツをずばっとアドバイスします。

【今回の相談者】
千葉県にお住まいのあかりさん(31)は、生まれたばかりのお子さまとご主人と3人でお住まい。7月にはご自宅を引っ越され、新しい生活をスタートしたばかりのワーキングマザーです。ご自身が個人事業主として開業して間もないため、現状の収入はほぼご主人のお給料のみ。世帯全体での毎月の手取り月収は約23万5,000円で、年間のボーナスは夏冬合わせて60万〜80万円ほど。100万円ほどの貯金と、自家用車2台があかりさん一家の資産です。

【相談したい内容】
『半年後くらいから、私自身の収入も月10万円ほどの見込みはあるものの、現在は子供の児童手当込みの世帯収入で何とかやりくりしています。2年以内に2人目の子供、そしていつかはマイホームの購入を考えています。ただ、現在は子供のみに学資保険をかけているだけで、私たち夫婦には保険もなく将来への備えも不安です。新婚当初から使っている家計簿アプリZaim のおかげもあって家計のやりくりはうまくできているものの、これ以上の節約も思いつきません……! 何だか最近は、将来のことが心配で楽しみより不安が増えてきました。ぜひアドバイスお願いします!』

○教育費は長期的な視点で貯蓄を

直近で「もっとも大型出費の少なかった」という5月の家計簿を見せていただいたところ……? 何と3人家族で食費が 5万円ほどで15%未満です! 日本のエンゲル係数は25%を超えると言われる最近、とても節制されているようです。自家用車の維持費は負担ですが、交通費が極端に低ところを見ると車をフル活用されているようですね。

今回はファイナンシャルプランナーの吉田江美先生にアドバイスを頂きました。ふだん多くの方からご相談を受ける家計の専門家として、まず気になったカテゴリはどこでしょうか?

吉田先生「まず教育費ですが、これは一括年払いの学資保険の金額とのことですね。子供への費用はこれからさらにかかり、大学までに受験費用+1〜2年分の学費として、学資保険と併せて300万円は貯蓄が目安になります。これから約15年で学資保険とは別で積み立てることが大切です。これから習い事等も検討されていると思いますが、それらも含めて家計の中でうまくバランスをとってください」

なるほど、習い事も教育資金もどちらも将来のため……ではあるものの、全く別の面で考える必要がありそうです。

吉田先生「生活環境的に難しくなければ自家用車は1台にすることを強くオススメします。年間の維持費で30万円ほど削減することが可能ですので、バイク等代替手段も含めて考えてみてください。光熱費も共働き世帯としては少し高いようです。お子さまが小さい内は特に光熱費が上がる傾向がありますので、プランの見直しも含めて考えてみましょう」

光熱費に加えて通信費もチェックポイントかもしれません。ご夫婦の携帯電話やインターネット環境は、乗り換えも含めて見直すと、固定費として大きな効果が期待できます。他に気になる点はあるでしょうか?

吉田先生「最近奥さまが自営業を始められたとのことですが、所得(収入から必要経費を引いたもの)が38万円を越えますと、ご主人の扶養から外れることになります。扶養から外れますと、国民健康保険・国民年金をご自身で納めることになり、場合によっては世帯の負担が大きくなります。上限を決めて収入を増やす等も選択のひとつかもしれませんね」

○マイホームは借入額に要注意! 予算設計は慎重に

あかりさんは、2年以内に第二子を、さらにマイホームの購入も希望されています。この点についてはいかがでしょうか?

吉田先生「実は借り入れが可能な金額としては、年収の8倍ほどまで可能です。ただし、もちろん毎月の返済額の負担や、返済金額が長期化するという前提での組み方になります。そのためマイホームについては、予算設計が何よりも重要となります。一般的に、住宅ローンの借入額は年収の5倍程度、年収に対するローンの割合(返済負担率)は 25%以下が妥当と言われています。現在の世帯年収(ご主人)のみで試算した場合、ざっくりと2,000万円ぐらいの借り入れが目安になりますので、あかりさんの場合は3,000万円ほど、ボーナスで月15万円ほど上乗せできれば4,000万円ほどのマイホームも期待できます。いずれにしても家計の改善や奥さまの収入が大きな鍵となります」

将来のことを考えると心配になることが多い、というあかりさんですが「もらえるお金」をしっかり把握しておくと少し不安要素も減らせるかもしれません。

吉田先生「また、ご夫婦で保険に加入されていないことを不安視されていますが、国からも給付金があることはご存じでしょうか。万が一の場合、残された家族に対して、遺族基礎年金及び会社員には遺族厚生年金が支給されます。おおよその金額ですが、子供が18歳になるまで月11万〜13万円が支給されます。さらに生活保障が必要と考える場合は、支給額を差し引き、最低限の保障額をカバーした保険を検討することをオススメします」

Zaimでは住んでいる地域や家族構成、家計簿の記録から「あなたがもらえる可能性がある給付金や手当・控除」を抽出する『わたしの給付金』というサービスもあります。上記にある国からの給付金だけでなく、地方自治体ごとに異なる給付金も簡単にチェックできますので、ぜひ試してみてくださいね。

○家計診断協力

吉田江美
家計の総合相談センター代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士・MBA。中央大学大学院国際会計学科卒業。TKCで税財務ソフトコンサルに従事後、公認会計士事務所が母体の独立系FP会社にてFP相談業務、金融機関向け FP 講座講師、労働組合・厚生年金基金主催マネープランセミナー講師などに従事。家計の総合相談センターを設立後は、相談業務、各種講師、執筆業務などの活動。名古屋商科大学大学院会計ファイナンス研究科で客員教授も務める。FP、社労士、税理士として東京・名古屋・大阪で来店型 相談センターを開設。学生から社会人までパーソナルファイナンスを広める活動を行う。
○執筆者

綿島琴美
1982年生まれ。Android、iPhone、iPadやWebから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、ユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定 AFP。

(綿島琴美)