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 40年以上の歴史を持つヨーロッパ最大のマーケティング学会である「European Marketing Academy(通称EMAC)」の2016年研究大会がノルウェーのオスロで5月24日から27日にかけて開催されました。「R入門」「アイドル分析」の豊澤栄治氏が同学会に参加。内容をレポートします。

■ヨーロッパ最大のマーケティング学会EMAC

 こんにちは!ファンコミュニケーションズ、情報科学技術研究所の豊澤栄治と申します(MarkeZineでは「R入門」「アイドル分析」といった記事も書いています)。当研究所は、「マーケティングサイエンス領域における先進的な技術の調査研究」と「保有するビッグデータを活用し新たな価値の創造」を目的とし昨年発足いたしました。調査研究の一環として参加した「EMAC 2016」についてご報告させていただきます。

 EMAC 2016は、マーケティングの理論やリサーチを生業とするプロフェッショナルのために、1975年に発足したヨーロッパ最大のマーケティング学会であるEuropean Marketing Academy(EMAC)が主催する年次大会です。

 今年はノルウェーのオスロで開催されました(2017年はオランダのフローニンゲンでの開催が決定しています)。ヨーロッパを中心に世界中のマーケティングを専門とする研究者や実務家が1,000人以上参加し、21トラック200以上のセッションやKeynoteから構成されています。
カンファレンスのトラック一覧

 上記の通り“MARKETING STRATEGY”、“ONLINE MARKETING & SOCIAL MEDIA”から“TOURISM MARKETING”と、多種多様なトラックが設定されていました。また、『Journal of Advertising』を始めとするトップジャーナルの編集長や代表の方々が各ジャーナルの選考プロセスや投稿規定、トレンドについてプレゼンを行い研究者からの投稿を募るといったアカデミックならではのトラックもありました。

 日本国内の学会で例えると、日本消費者行動研究学会と日本マーケティングサイエンス学会が同一会場で開催されているような印象を持ちました。

 ちなみに、会場となったBI Norwegian Business School(ノルウェー経営大学)は、ビジネススクールとしてヨーロッパでもトップランクに位置づけられる、総学生数18,000人の大学。北欧らしい近代的かつ太陽の光を何処でも感じられる素晴らしいデザインで、中には教室、図書館、食堂の他にフィットネスクラブまで併設されています(こんなキャンパスで学びたかった……。溜息)。

■データサイエンスの第一人者が語る「顧客価値評価」の重要性

 「Marketing in the age of data(データの時代におけるマーケティング)」をメインテーマにした今大会、注目のKeynoteでは、Customer Centric(顧客中心主義)の提唱者でマーケティングサイエンスの大御所Peter Fader(Wharton School of the University of Pennsylvania)が登壇。「Customer valuation finally comes of age」と題した講演を行いました 。日本語にすると「遂に顧客価値評価の時代が到来」といったところでしょうか。
Prof. Peter Fader

 彼はまず、あらゆるデータが入手可能になってきたにも関わらずマーケティングは60年以上に渡って変化していない、と指摘した上でCustomer experience(顧客体験)、Customer delight(顧客感動)、Customer insight(顧客洞察)のいずれも、マーケターがその価値を認めない限り無価値であると顧客理解の重要性について説きます。

 例えば、昔はキャンペーンの前後で売上げの比較を行えば充分でしたが、顧客中心主義の今日、Customer value(顧客価値)の変化をみることが重要かつ不可欠である、と指摘します。

 企業は顧客価値を測ること、つまり Customer valuation(顧客価値評価)を継続的に行う必要があるというわけです。では、具体的に、どのようなことができるのでしょうか? 先行企業の事例が紹介されました。

豊澤栄治[著]