日経平均株価チャート(日足・1年) *チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

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 週明けから、東京株式市場の景色はメチャクチャ良好になりましたね。日経平均株価は7月5日から8日まで4日続落し非常に暗い週末となっていました。しかしながら、今週はいきなり、11日に前週末比601.84円高となり、12日前場は前日比415.54円高の1万6124.36円と大幅続伸です。

 それにしても、ここ最近の日本株は上げるのも下げるのも速いですね。5日から8日までの4日間で668.82円下がったと思ったら、1日半で1017.38円も上昇しちゃうんですから。

国策銘柄の「建設・浚渫関連」「リニア・鉄道建設関連」
「農業関連」「子育て・介護関連」が注目され始めた

 なお、週明けからの日経平均株価の急騰の背景は、6月の米雇用統計の上振れと、参院選での与党の大勝による「アベノミクス」加速期待です。この結果、投資マインドが大幅に改善し、米国株が上昇し、外国為替市場でも円安・ドル高が進みました。

 8日発表の6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比で28万7000人増と、市場予測の17万人増を大きく上回りました。また、安倍首相は11日、参院選を受けての記者会見で「内需を下支えできる総合的かつ大胆な経済対策を実施したい」と表明しました。そして、11日昼過ぎに、「安倍晋三首相は参院選での与党勝利で、補正予算案の裏付けとなる財源に4年ぶりの新規国債の追加発行を検討する」と一部報じられました。

 安倍首相が石原経済財政・再生相に検討を指示する経済対策では、年金の納付期間の短縮、給付型奨学金の導入の具体的検討、リニア中央新幹線の全線開業の最大8年間前倒し、農林水産物や食料の輸出を促進する施設、訪日外国人向けクルーズ船を受け入れられる港湾施設の整備などが盛り込まれるようです。

 また、安倍首相は6月1日の会見で、秋に策定する「総合的かつ大胆な経済対策」を表明した際に、民間投資の促進を最重要視し、「リニア中央新幹線の計画前倒し」や「新幹線の建設加速」「保育所や介護施設の整備」を挙げています。このため、11日以降の東京株式市場では、建設・浚渫関連、リニア・鉄道建設関連、農業関連、子育て・介護関連などが賑わっています。

日経平均株価は1万5826.50円を上回っていれば「強気」を維持
今後は外国人投資家の日本株買いに注目

 当面の日経平均株価に関しては、テクニカル的には、想定レンジは26週移動平均ベースのマイナス1σ(12日前場現在1万5826.50円)〜26週移動平均線(同1万6392.80円)です。

 26週移動平均線を上回ることができれば、プラス1σ(同1万6959.11円)が視野に入ります。一方、マイナス1σを下回ると、再び、弱気相場入りし、マイナス2σ(同1万5260.19円)を目指すでしょう。つまり、マイナス1σを上回っている限り、「強気」維持でオッケーだと思います。

 そうはいっても、ここ最近の日経平均株価は1日で500円程度の上下は当たり前です。これは、多くの投資家の市場参加がなく、薄商い傾向が続く中、アルゴリズムトレードや、プログラム売買が活発に行われていることが主因でしょう。

 多くの投資家の市場参加がなく、薄商い傾向が続いた背景は、年初からの下げ相場です。2016年も早くも7カ月目です。今年の大発会の始値は1万8818.58円です。同日の高値1万8951.12円が、7月12日前場までの高値です。そして、12日前場の終値は1万6124.36円です。年初からこんな下げ相場になっていましたから、「株式投資はお金をどぶに捨てるようなもの」というムードが強くなり、参加者が激減したのでしょう。また、外国人投資家の「アベノミクス」への期待が失望に変わり、日本株に先高観がなくなり、裁定買い残が枯れてる上、少なくとも8日までは、新規の裁定買いが入り難かったことも影響していると思います。

 今後、相場に先高観が強まり、新規の裁定買い、外国人投資家の日本株買いが入れば、「株式はお金を増やすための魅力的な投資対象」というムードに変わり、商いも膨らみ、市場を取り巻く環境は今以上に明るいものになるでしょう。

LINEの上場は初値が付いた後が重要
初値が公開価格を上回ればその他の小型株も上昇へ

 ところで、LINE(3938)が、7月15日に東証1部に新規上場します。同社は日米両国で上場を予定しており、米ニューヨーク証券取引所には14日に上場します。日本での公開価格は仮条件(2900円〜3300円)上限の3300円です。公開価格と発行済み株式数で算出した時価総額は約6930億円(資金調達額は1155億)と、超大型の新規上場案件です。

(※)最新のLINE(3938)の株価はこちら!>>

 同社の、2016年3月31日時点で、月間アクティブユーザー数(MAU: Monthly Active User)は2億1800万人に達し、そのうち1億5200万人が同社ユーザー数の上位4カ国(日本、台湾、タイ及びインドネシア)のユーザーです。このため、米ニューヨーク証券取引所への上場はアジア以外の欧米での知名度向上を狙ってのものでしょう。

 それはともかく、日本での知名度が抜群とはいえ、これだけの大型案件です。株券に関しては「プラチナチケット感」は皆無です。このため、「いくらでもいいから、初値で買いたい!公開価格の2倍でも3倍の価格でも絶対欲しい!」という雰囲気はありません。また、先に米国で上場初値が付きますので、東証ではそれを参考に初値が付くことになります。初値に関しては、公開価格に1割から2割程度上乗せしたレベル、具体的には3630円〜3960円程度を想定しています。

 初値が付いた後は、その初値を下回らない限り、好需給を背景に「青天井相場」となり、順調に上値を追うでしょう。しかし、初値を下回ると、需給が悪化し調整色を強める見通しです。

 なお、LINEの初値が公開価格を上回ったら、利食った資金の小型株への資金流入が見込まれます。よって、個人投資家好みの小型株の上昇と、個人投資家を取り巻く、相場の体感温度の上昇につながるでしょう。その意味では、LINEの初値が公開価格を上回り、同社の上場が成功することは、小型株人気の起爆剤なり得るとみています。だからこそ、多くの投資家が、その成功を祈っていることでしょう。

(参考記事⇒「LINE」のIPO(新規上場)の初値予想はいくら?IPO分析のプロが公開規模、業績、成長性など、日米同時上場する「LINE」は買いかどうかを徹底分析)