学習してない「とと姉ちゃん」86話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第15週「常子、花山の過去を知る」第86話 7月12日(火)放送より。 
脚本:西田征史 演出:大原拓


「とと姉ちゃん」をもっと楽しむために、先週から 疑問点は【黒とと】、いいなあと思った点を【白とと】としています。

珈琲屋さん「巴里」、謎の老人・関元和四郎(寺田農)、そして花山伊左次(唐沢寿明)が「2度とペンをとらない」その真意は・・・と15週のはじめはがぜん盛り上がった「とと姉ちゃん」
それにしても、常子はぶしつけだな。【黒とと】
でも、カウンターに座ってコーヒーを飲む姿はかわいらしい。【白とと】

関元和四郎(寺田農)が花山の過去の苦難を語るが、「8月15日、すべてに気づいた」と言った花山の肝心な部分は明かさないままに。
ギリシャ悲劇やシェイクスピア劇などでは、死の凄惨な場面は実演しないで、目撃者が後からその場面を語ることが多く、それを語る俳優は台詞に説得力を求められる。「とと姉ちゃん」はそういう古典的な手法をとっているのか。86回は、ラピュタのムスカ役の印象の強い寺田農の力で、花山の説明をちゃんと聞くことができた。【白とと】
関元さん、自分のことを「僕」と呼ぶのもなんだか萌え。老人というと「わたし」とか「わし」とか言いそうな先入観がありませんか。【白とと】

関元の語りを聞いて、「とと姉ちゃん」ではスルーされている戦争のことをもっと考えたいと思ったら、寺田農の主演作「肉弾」(庵野秀明監督も敬愛する岡本喜八監督作/68年)を見てほしい。名もなき特攻兵(丸めがね!)の行動が胸を打つ。といっても直接的に特攻兵が戦争をしている状況を描いているわけではない。トーンはシュールなコメディ。にもかかわらず、戦争とは何なのかが迫ってくるのだ。
と、寺田農情報はこれくらいにして、本編に戻ります。

鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)が「スタアの装い」を半額近くに下げて在庫処分をしていると、いやな感じの男達たちに所場代を請求される。歯磨き粉エピソードと同じパターンである。戦前戦後と時代が違うとはいえ、学習してないなあ。【黒とと】
そして、あっさり水田(伊藤淳史)に助けられる。【黒とと】
こういうの、もういいから、唐沢寿明を出して! と思っていると、後半、常子と花山場面。
「嬉しそうにするんじゃない」とか「コーヒーをどんどん頼め」とか、花山の台詞は楽しい。【白とと】

常子が、花山に惹かれるのは、絵がうまく、何か才能がありそうだということももちろんだが、ご老人・関元が語った花山の過去に結核にかかったというのがあり、とと(西島秀俊)と重ねたのかもしれないとちょっとだけ思った。
(木俣冬)