中国メディアの参考消息はこのほど、スペインメディアなどの報道を引用し、中国人が欧州で「鰻(うなぎ)」の稚魚をスペイン国内から中国へと密輸していると伝えた。

 報道によれば、スペインのバスク地方では鰻を食べる習慣があり、現地では鰻の稚魚の養殖が行われているが、こうした稚魚の一部が中国に運ばれ、中国で一定の大きさになるまで養殖され、中国国内もしくは日本向けに販売されているという。

 記事は、2009年に欧州連合(EU)は絶滅危惧種の動植物の取引を禁じる条約に署名しているため、鰻の稚魚をEU外に持ち出すことも禁止されているが、スペインメディアが「中国人は鰻の稚魚をスペインで買い付けたうえで、中国へと密輸して持ち込んでいる」と伝えたことを紹介。密輸の方法としては、旅行用のスーツケースのなかに鰻の稚魚を入れて香港経由で中国に持ち込むというもので、稚魚は福建省の養殖場へと運ばれているという。

 すでにスペイン現地の警察が捜査に乗り出しており、中国人5人とスペイン人3人が逮捕され、密輸に関わっていた中国人の拠点からは700キロ分の稚魚が押収された。キロあたり1500ユーロ(約17万1336円)で販売したと仮定した場合、総額100万ユーロ(約1億1422万円)に達するほどの量だ。

 また記事は、EUが鰻の稚魚の中国への輸出を禁止したところで、EU圏内における鰻の生存状況は改善しないと指摘。過度な捕獲や環境汚染や気候変動の影響が改善しなければ鰻の数の回復は見込めないとし、輸出禁止よりも捕獲数の制限のほうがむしろ有効だとの見方を紹介した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)