ミクロの世界のダイナミックな生存競争

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迷路内でモンスターたちの追跡をパックマンがかわす、懐かしの名作ゲーム「パックマン」。そのリアルな世界を本物の微生物たちが繰り広げる動画が2016年7月6日、インターネット上で公開され、アクセス数が40万を超す人気になっている。

動画を作ったのは、ノルウェー東南大学マイクロ&ナノシステム技術学のエリック・ヨハンソン教授らのグループだ。もちろん「遊び」ではなく、微生物の自然に近い世界を再現し、貴重なデータを集積するのが目的だ。

猛スピードで襲う「怪物」、かわす「パックマン」

ヨハンソン教授らが作った迷路は1ミリ単位の極小世界。迷路で「パックマン」として登場するのは単細胞生物の「繊毛虫」。パックマンを襲い続けるモンスターとして迷路に入れられたのは、その10数倍も大きい多細胞生物のワムシ。迷路は、栄養豊富な液体が満たされ、その中を繊毛虫が縦横無尽に泳ぎ回り、それをワムシが猛スピードで追いかけ捕食する光景はスリリングで、ミクロの世界の弱肉強食の厳しさを表わしている。間一髪でワムシの攻撃をかわす繊毛虫の姿は、脳がないのにどうして敵の接近がわかるのか不思議なほど。

この動画「Mikroskopisk Pacman」(顕微鏡パックマン)を作った目的を、ヨハンソン教授は動画の中でこう説明している。

「これまでの微生物の研究は、何の障害物もない二次元のシャーレの中を泳ぐ姿を観察するだけでした。実際の微生物は、コケや泥炭などの三次元の世界で生きています。障害物や敵がいる世界で、微生物たちはどう動くのか、シャーレでは得られない貴重なデータを採取できます」