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本田技研工業(ホンダ)は12日、同社と大同特殊鋼がハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性と高磁力を兼ね備えた、重希土類完全フリー(不使用)熱間加工ネオジム磁石を世界で初めて実用化し、今秋発表予定の新型「フリード」に採用すると発表した。

ハイブリッド車用駆動モーターにおいて、ネオジム磁石は高温環境下で使用されるため、高い耐熱性が要求される。その耐熱性を確保するために、従来は重希土類元素(ジスプロシウム、テルビウム)が添加されてきた。しかし、重希土類元素は世界的に有力鉱床が偏在し、安定調達・材料コストの観点でリスクを抱えており、重希土類元素の使用量を低減することが、ハイブリッド車駆動モーター用にネオジム磁石を使用する上で大きな課題のひとつとなっていた。

そこで、大同特殊鋼は耐熱性が高い磁石の製造を可能とする熱間加工法の技術をさらに進化させ、ホンダは駆動モーター開発の経験を生かして磁石形状を見直すなど、共同で開発を進めてきた。そして、重希土類元素を全く使用せずに、ハイブリッド車用駆動モーターに適用可能な高耐熱性、高磁力を実現したネオジム磁石を世界で初めて実用化した。

さらにホンダは、この磁石に対応した新しいモーターを設計。磁石形状に加えてローター形状も見直し、磁石にかかる磁束の流れを最適化することで、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石をハイブリッド車用駆動モーターに採用可能とし、トルク、出力、耐熱性において従来の磁石を用いたモーターと同等の性能を達成した。同技術の採用により、ネオジム磁石の適用拡大に際し、課題であった重希土類元素の制約から脱却したことで、その資源リスクを回避するとともに、調達ルートの多様化も図ることが可能となった。

ホンダは、今秋発表予定の新型「フリード」に搭載するハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-DCD」に、重希土類完全フリー熱間加工ネオジム磁石を採用するとともに、順次、新型車に適用を拡大していくとしている。

(木下健児)