会社へのお土産は、渡すところまでが「マナー」。

今週も「夏休みの会社のお土産」についてのマナーを考えていきます。質問者はこの春、IT関連会社に就職したばかりの榎本恵子さん(22歳・仮名)。

「お盆休みを利用して、彼と東北へ旅行をする予定です。会社のお土産に小分けのお菓子でも買おうかと思っているのですが、どうやって披露したらいいのでしょうか。私に恋人がいることは部署の方々は知っているのですが、必要以上に詮索されるのも嫌だし……」

さっそく鈴木真理子先生に答えていただきます。

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会社にお土産を買って行っても、配るタイミングや方法がわからないという方は少なくありません。なぜなら会社では気を使わなければいけない相手がひとりではないからです。同じ立場のAさんとBさん、どちらに先に渡せば角が立たないかしら、と悩むこともあるでしょう。

また、使えない上司よりも直属の先輩の方がお世話になっているしと思ったり、嫌味なお局先輩のフォローにも気を配らないと目をつけられそうだしと思ったり。相手の役職や立場と、関わりの度合が比例しない場合も、配り方に頭を悩まされてしまいますよね。

ビジネスのマナーとして、お土産の配り方にはルールがあります。なんとなくの感覚で行動してしまうと「否定されないかな」「叱られたらどうしよう」と不安になりますが、ルールにのっとっているんだと思えれば、心の平穏も保てるのではないでしょうか。それでは、ポイントを紹介していきます。

ひとりひとりに「直接」渡す

榎本さんは会社へのお土産に小分けのお菓子を想定しているとのこと。配りやすく、個装されていればすぐに食べない場合も乾燥しませんし、持ち帰ることもできるので便利ですよね。相手にもメリットがあり、ビジネスマナーとして、大正解です。

配るタイミングですが、15時にお茶タイムが取れる職場なら、あなたがひとりひとりに配ります。相手の作業のじゃまにならないよう「夏休みのおみやげです。おやつにどうぞ」と声をかけ、机の左側に置きましょう。受け皿代わりに100円ショップなどでも買えるペーパーナプキンを用意して、お菓子をその上に乗せて配るとエレガントです。

また、お土産を配るために席を立つときは、お局先輩に「お土産を買ってきたので配りますね」と小さな声でささやいてみてください。休み明けなのにサボっている、と誤解されたら困りますし、ひと声かけてから動けば先輩だって嫌な気はしません。

もうひとつ、新人の榎本さんには関係ありませんが、たまに後輩にお土産を配らせる女性がいます。これはNG行為です。

お土産を配る、というのは業務ではありません。後輩だからといって、業務以外のことを命じるのは、パワハラともとられかねない行為。十分に気をつけましょう。

2番目に配る相手は?

お土産を誰から配るかといえば、当然、上司です。それはわかると思いますが、悩むのはその次に誰に配るかではないでしょうか。ここは、役職の高い順に配らなければと意気込む必要はありません。席順によって、配りやすい人からでOK。むしろ、いちいち、行き来しながら配っていたら目障りになります。あくまでもみなさんの業務の妨げにならないよう、静かに、必要最低限の動きで配り終えましょう。

おやつタイムがない場合は…

職場によってはデスクでの飲食が禁止されているところもありますね。そのときは給湯室に箱をあけた状態でお菓子を置き、付せんやメモに「お土産です。どうぞ召しあがってください。田中」などと書いておきましょう。名前を書いておくのが重要です。誰のお土産かわからなければ、手がつけにくいもの。この場合、ひとつふたつ自分で抜いておくと、「ほかの人もいただいたんだな」と思ってもらえ、召し上がっていただきやすくなります。また、数が少なくなったら箱を処分し、数個のお菓子はペーパーナプキンの上に置くとよいでしょう。



■賢人のまとめ
お土産配りで席を立つときはお局先輩にひと声かけて。夏休み明けは、「夏休み気分が抜けていない」「サボってばっかり!」と嫌味を言うタイミングをお局先輩から狙われていると思って行動を。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

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