独占インタビューに応じてくれた内田。本田とのサッカー談義の中身とは? 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 内田篤人に話を訊くのは、およそ半年ぶりのことだ。頬が少しふっくらとしていた印象を受けた昨年末とは違って、インタビュールームに入ってきた彼は精悍な顔つきをしていた。
 
 16年1月、右膝の大怪我から復帰してシャルケの全体練習に一度は合流したが、すぐさま再離脱。膝の状態は良くなるどころか悪化して、いつしか「内田は本当に大丈夫なの?」と不安の声が多く聞かれるようになった。
 
 15年3月31日のウズベキスタン戦(親善試合)を最後に、怪我で1年以上も試合から遠ざかり、リハビリを兼ねて参加した今年5月の代表合宿では「足が細すぎる」との報道もあった。
 
 しかし、そこから内田は驚くべき回復力を見せる。7月初旬に鹿島のクラブハウスを訪れた際(今オフ、内田は鹿島でリハビリをしていた)は、パスゲームもこなし、正確なロングボールを何本も味方に通す内田の姿があった。明らかに状態は良くなっており、これならば、そう遠くないうちに復帰できるだろうという期待感を持てた。
 
 迎えたインタビュー当日。復帰への光が見えているからだろう。内田は、リラックスしたスタンスで話し始めた。

 そして──。右膝の状態、来季のシャルケについても述べてくれた彼が、「あっ、そういえば…」と思い出したかのように、本田とのサッカー談義について語り始めたのはインタビューも終盤に差し掛かった頃だった。
 
 以下の記者とのやり取り(インタビュー内容はサッカーダイジェスト7月14日発売号から抜粋したもの)は、その少し前、内田が自身の守備観について語るところから始まる。

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──内田選手が理想とする守備は? マンマーク? それとも受け渡すやり方ですか?
 
「受け渡したい。無駄に動きたくないんですよね。運動量がベースの戦い方は間違っていると思います。自分が監督なら、運動量に頼らず勝ちたい。走行距離、スプリント回数をどこよりも少なくして、優勝したいです。ここっていう時に走って、効率よく仕留める。そういうスタンスじゃないと、連戦中にクオリティを保つことなんてできない。どこかで必ず走れなくなる」
 
──ただ、走らずに負けたら大きなブーイングを浴びそうです。
 
「そりゃあ、怒られますよ。でも、勝てばいいんです。結果さえ出せば、ひとり8舛靴走らなくても褒められる。だから、監督になったらこう選手に言います。『敵より少ない運動量で勝て』と」
 
──では、“内田監督”、日本代表はどうすれば強くなりますか?
 
「自分なりの答は持っていますが、ここでは言えません(笑)」
 
──戦術関連ではない?
 
「違います。あっ、そういえば、この前、本田さんと珍しくサッカーの話をしました。その時にも『どうしたら強くなるか、なにが必要か』って訊かれたので素直に答えたら、『お前もそう思っているのか』って。考えていることが本田さんと一緒だったんですよ」
 
──本田選手とは、他にどんな会話を?
 
「監督やコーチのこととかですね。監督でなにより重要なのはカリスマ性。『行け!』って指示されたら、すかさず『はい!』って言えるような存在がベスト、それから戦術を落とし込むのはコーチの役割という認識も本田さんと同じでした」
 
──そうした話を過去に本田選手とした記憶は?
 
「ないですね。おそらく初めてです。自然とそういう会話になりました。でも、ちょっと恥ずかしい。基本的に、(代表活動で)サッカーの話を誰ともしないので」
 
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 本人も「珍しく」と言っていたように、意外な告白をしてくれた内田篤人。肝心な部分は残念ながらぼやかされたが、サッカーへの熱い想いは十分に伝わってきた。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)