Q:職場の健診で房室ブロックという不整脈があると指摘され、病院で検査をするよう勧められました。危ない不整脈でしょうか。睡眠時無呼吸がありますが、関係はありますか。
(46歳・工務店勤務)

 A:心臓が収縮するのは、洞結節という場所で電気信号が作られ、心房から心室へ電気信号(電気刺激)が伝わることによります。この経路を「房室伝導」と言います。
 心房と心室の境界部分には房室結節という中継局があります。心臓は、電気刺激がここやヒス束というところを経由し、右脚・左脚を経て心室に伝えられることによって収縮するのです。
 房室ブロックは不整脈の一種です。房室結節やヒス束周辺が何らかの原因によって障害を受け、房室伝導が遮断された状態。その重症度によってI度〜III度の3段階に分類されています。
 I度は、心房から心室へ電気刺激が伝わるのに正常な人より時間がかかるだけです。心拍数に悪い影響はなく、心配ありません、II度は、心房から心室への伝導が時々途絶えて脈が飛びます。III度は、心房からの電気刺激が心室にまったく途絶えた状態です。

●専門医の診断を
 II度の一部やIII度では心臓が1回の収縮で送り出す血液量が減って、息切れやめまいが起き、失神や心不全も生じやすくなる危険な不整脈です。
 この房室ブロックと睡眠時無呼吸の関係について、日本睡眠学会が行った研究では、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)で、なおかつ就寝中に房室ブロックが出現する人について、CPAPという人工呼吸器でSASの治療を行うと、22例全例で不整脈が消失した」と報告しています。
 SASの人の房室ブロックはII度の「ウェンケバッハ型」が多く、低酸素以上に、睡眠中の自律神経活動の影響が関与し、心拍数が増加しているとのことです。
 房室ブロックには、危険な状態を招くものもあります。まずは循環器科へ受診し、不整脈の検査を受けましょう。
 なお、就寝時には横向きに寝るようお勧めします。呼吸が確保され、いびきをかかないし、房室ブロックの改善にも役立つと思われます。

菅間裕氏(菅間医院院長)
富山大学医学部卒。東京女子医科大学外科勤務を経て、マグロ船の船医、離島の地域診療に長年携わった後、菅間医院を開業。地域医療、在宅医療に積極的に取り組み、病気の治療と予防に力を注ぐ