素朴な味にすっかりとりこに。中世から愛されてきた田舎パン

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「白パン、黒パン」ときいて、ハイジの物語を思いだす人も多いかもしれません。ヨーロッパでは20世紀半ばまで、小麦で作った真っ白なパンが庶民の手には届かない高価なものでした。
今もなお、愛され続ける黒いパン
質素な暮らしのなかで農民が自分たちのために焼いていたのは黒いパン。やせた土地でも育つカラス麦やライ麦を原料にした田舎パンは、その栄養価の高さと自然なおいしさが評価されて、ふたたびイタリアの食卓に欠かせないものになりつつあります。

高価な小麦の代わりに、雑穀や豆類、木の実などを混ぜてパンを焼いた農民の知恵。混ぜごはんや炊き込みごはんをいただく感覚で、栗の粉やライ麦、豆類などをパンづくりに活用することで、レシピの幅が広がります。
ここでは栗の粉を使った、おやつにぴったりのレシピをご紹介します。
栗の粉パンレシピ

【材料(8人分)】
・小麦粉(強力粉)400g
・栗の粉250g
・ビール酵母25g
・ハチミツ小さじ1
・バター小さじ2
・カカオ(砂糖なし)小さじ1
・塩適宜
【作り方】
1. ビール酵母とハチミツをいっしょに少量のぬるま湯に溶く。ふたをし、10分ほど休ませる。小麦粉350gと栗の粉をふるいにかけ、練り台の上に火山型にもって、酵母とカカオ、塩ひとつまみをくぼみに入れてまぜていく。
2. パン生地をこね始める。やわらかくしたバターを加え、1.5カップのぬるま湯を3回に分けて少しずつ加える。5分ほどこね、布をかぶせてあたたかい場所でねかせる。ボリュームが2倍ほどになったらパン生地をやさしくしぼませる。
3. 残っている小麦をなじませながらパン生地を切り分け、小さく丸めていく。オーブンシートをしいた天板に並べて、布をかぶせて40分ねかせる。
4. あらかじめ180度にあたためておいたオーブンで30〜40分焼く。
(「Sale e Pepe」より翻訳引用)

写真真ん中が「栗の粉パン」。チーズや生ハムがよくあう黒パンです。
中世の農民が焼いていたパンをイメージしてつくったこのような田舎パン。オーガニック食品店で出会ったこの素朴な風味に、私はすっかりとりこになってしまいました。
ライ麦や栗の粉を原料に、薪で焼いた香ばしいパンの中には、ヒマワリやカボチャの種、クルミやピスタチオなどが混ぜられているものもあり、味わいも歯ごたえも栄養価もアップしています。白パンよりも高価で、「庶民の味」とはいかなくなってしまったようですが、おかずパンにもなりそうなボリューム感です。

イラスト・文:向井順子
水彩画家。大学卒業後、フィレンツェに渡る。彫金工房、絵画工房に通ったのち2000年にみずからの水彩画工房を構える。詩人の会「SGUARDO E SOGNO」に所属し、絵を描く傍ら詩作に励む。趣味はマンドリン。

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