例年より遅く発生した今年の「台風1号」が、いきなり台湾に深刻な爪痕を残していった。台湾では、現地の予報に対する疑問の声も出た。台湾メディア・東森新聞雲は9日、「日本では3日前に台湾を直撃すると予測されていたのに、どうして台湾では予測できなかったのか」との声に対する、気象会社の専門家のコメントを紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 例年より遅く発生した今年の「台風1号」が、いきなり台湾に深刻な爪痕を残していった。台湾では、台風の被害状況についての情報が逐次流れると同時に予報に対する疑問の声も出た。台湾メディア・東森新聞雲は9日、「日本では3日前に台湾を直撃すると予測されていたのに、どうして台湾では予測できなかったのか」との声に対する、気象会社の専門家のコメントを紹介する記事を掲載した。

 記事は、今回の台風1号について台湾の中央気象局が「北部海域から上陸する」と予測していたのに対し、実際は「思いもよらないことに、東部から上陸した」と説明。朱立倫・新北市長が「日本は3日前に台風が台湾の中心を直撃すると予測していたのに、中央気象局の予測は300キロメートルもずれていた」と指摘するとともに、「私は中央気象局を批判するつもりは決してない。客観的なデータで判断してもらいたいだけだ」として、日本や米国、香港などの予測も参考にしながら台風の進路予測をしっかり検討するよう望んだことを伝えた。

 これに対して、台湾の気象会社・天気風険公司の専門家が9日、「今回の台風の予測については、確かに検討すべき点があった」と振り返るとともに、「正確な情報を伝えようと努力している。しかし、大自然の変化は無常であり、人類が把握できる部分は実にごくわずかなのだ」と弁明したことを紹介。今回の批判を、より良い方向に変えていくきっかけにしたいとの姿勢を示したとしている。

 台風の予想進路はあくまでも「予想」であり、予報円の大きさを見ればその動きを正確に予測することの難しさを理解できる。日本の気象庁では3時間ごとに台風の実況を発表し、その都度進路予想を示している。しかも、予報円内に実際に台風の中心が入る確率は70%だ。なお、日本気象協会が5日15時に出した進路予想では、3日後の8日に「予報円の中心」が台湾北部に上陸するとされていた。それから、6日、7日と時間が経過するにつれて「予報円の中心」が台湾南部へと南下していったのだ。

 今回、進路予想で反省すべき点は、予想の精度を上げることよりも「進路予想はあくまで目安であり、周辺地域は予想の中心からは外れていても十分な覚悟と警戒をすべき」ということを市民に伝えることではないだろうか。そのためにはどの程度の頻度で、どのように情報を発表したらいいかを再検討すべきだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)