5月に台湾独立志向のある民進党の蔡英文氏が台湾総統に就任して以降、中国大陸と台湾のいわゆる「両岸関係」は停滞状態に入っている。6月下旬には大陸側が台湾側との対話体制をストップさせた。今月1日には台湾海軍によるミサイル誤射事件が発生し、大陸側が「影響は重大」との声明を発表している。

 「両岸関係」の停滞は、台湾を訪れる大陸観光客の激減という事態も招いている。大陸客を望めなくなった現地の観光業界は、関係の良好な日本からの観光客を呼び込む動きを活発化させている。台湾メディア・自由時報電子版は6日、台湾屈指の観光名所・日月潭が静岡県の浜名湖と8月に交流関係を結ぶ準備を進めていると報じた。

 記事は、日月潭がある南投県が近ごろ日本の各地方との交流に積極的であると紹介。中でもヤマハやスズキといった世界的に有名な企業や、日本の10大湖の1つである浜名湖がある浜松市との交流を進めていることを紹介した。すでに双方の関係者が現地を訪れて観光資源や施設などの視察を行っており、今月5日には浜松市観光都市推進課の海外戦略担当課長一行が南投県の県庁を訪問、8月28日に浜松市長が台湾に赴いて交流の合意書に署名する段取りをつけたことを伝えている。

 日本と台湾の間では近ごろ、互いの観光客を呼び込むための交流イベントや企画が盛んに実施されている印象を覚える。特に、鉄道をテーマとした交流の動きが活発だ。日本の各私鉄とのコラボレーションで、その鉄道会社の列車塗装をイメージしたラッピング列車が運行されたり、台湾名物の駅弁が日本で発売されたりしている。

 それぞれの中国大陸との関係についてはさておき、日本と台湾でさらに観光交流が活発になること自体は、互いの市民にとって喜ばしいことではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)