今井絵理子氏は参院選比例代表で当選を確実にした(写真は2010年11月撮影)

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ダンスボーカルグループ「SPEED」のメンバーで、自民党の新人として初めて参議院議員選挙に立候補した今井絵理子氏が、比例代表での当選を確実にした。今井氏は当選の報を受けて笑顔を見せながら、「今、心の中に流れている音楽がある」と切り出し、喜びの弁を述べた。

一方で、沖縄出身ながら基地問題については「これから向き合う」と理解を深めていない様子を見せた。

今井氏「雑巾がけから、一歩一歩」

SPEEDの『Starting Over』という曲があるんですね。終わりは始まり、という曲なのですが、選挙戦を終えて今がスタートラインということで、すごく責任感、また使命感を果たせるよう頑張っていきたいと思っている次第です」

今井氏はNHKの「2016参院選」の中継でそう決意を述べた。

子育て支援や障害者支援に力を入れたい意向をかねてから主張してきた今井氏は、この中継で手話通訳者とともに出演。「7年間続けたボランティア活動の中で、障害者の声を聞いてきた」とした上で

「私自身、障害児をもつ母親として、きちんと当事者の声を国政に届けられるようにしたい。一歩一歩、『雑巾がけ』からかもしれませんが、一歩一歩頑張っていきたい。みなさんが笑顔あふれる誰もが幸せに過ごせるような国づくりを頑張っていきたい」

と力強く話した。

池上氏「ある意味正直かもしれないが...」

一方で、今井氏は沖縄県出身。沖縄は普天間飛行場の移設など、米軍基地問題で大きく揺れているが、今井氏は選挙戦中、基地問題にはあまり触れてこなかった。この点について、「池上彰の参院選ライブ」(テレビ東京)の中継で、池上彰氏に「どう考えているのか」と聞かれた今井氏は、意外な答えを返した。

「12歳から東京で活動してきましたので、沖縄の現状は家族や友人からしか聞いてきませんでした。選挙期間中、一度沖縄を訪れた際、県民の方々から直接話を聞く中で、もっともっと足を運んで取り組んでいかなければならない問題だと感じました」

池上氏は

「つまり、沖縄問題については立候補してから初めて考えるようになったと?」

と尋ねた。すると今井氏は、

「はい、そうですね。これからきちんと向き合っていきたいと思います」

と返答した。

中継を終えると、池上氏は怪訝な顔を浮かべ、「沖縄の問題については認識を深めて、自身はどのように考えるのか、自民党の政策はどうなっているのかを知った上で立候補されているのかと思っていましたが...ある意味正直ですが、ちょっとびっくりしました」と戸惑いを見せた。

ツイッター上でも「俺も驚いた」「まずいでしょ」「障害者の母である今井絵理子は基地問題はどうでも良いってこと」といった声が上がった。