あなたの血液はどっち?(画像は東京医科歯科大学プレスリリースより)

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東京医科歯科大学・大学院保健衛生学研究科の笹野哲郎准教授や、同医歯学総合研究科の平尾見三教授らの研究グループは、血液の固まりやすさ(血液凝固能)を、高感度に評価できる方法を発見したと発表した。

血液の固まりやすさには個人差があるが、固まりやすい(血液凝固能が高い)ほど血栓ができやすい傾向にある。研究グループによると、もし血栓が心臓に発生すると、そのまま血流に乗って脳まで移動し、脳血管に詰まって、「心原性脳梗塞」を発症する恐れがあるという。

そのため、あらかじめ血液の固まりやすさを評価することで、脳梗塞発症リスクも予想することができ、予防手段を講じることも可能になる。しかし、これまでの検査方法は、血液の液体成分である「血漿」のみを対象としており、赤血球や白血球、血小板などを含めた血液全体(全血)の凝固能を正確に評価するのは難しかった。

研究グループは、凝固しつつある血液に2つの電極を刺し、電流を流した際、血液内の電気的な性質がプラスとマイナスに別れようとする強さ「誘電率」が、血液によって異なることに注目。

内科や血液学の専門家らの協力を得て、複数の血液検体の誘電率を、専用の機器で測定したところ、誘電率が高いほど血液が固まりにくく、低いほど固まりやすい、有意な相関関係があることを確認。この誘電率の違いをもとに、「EAT(end of acceleration time)」という、血液凝固能の新たな指標を確立したという。

測定は、電極のついた専用のカートリッジに少量の血液を入れ、交流電場を加えるだけでよく、遠心分離機を利用している現在の検査よりも手軽になる。発表は、2016年6月8日、米国のオープンアクセスの科学誌「PLOS ONE」に掲載された。

参考文献
Novel Dielectric Coagulometer Identifies Hypercoagulability in Patients with a High CHADS2 Score without Atrial Fibrillation.
DOI: 10.1371/journal.pone.0156557 PMID:27275926

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