3.11から5年。今加入すべき地震保険「損保」VS「共済」どっちが得か?

東日本大震災以降、地震リスクの高まりから地震保険の保険料が値上がりしている。2016年のうちに加入がベターだが、もしもの時に備え、どのぐらいの保険料をかけておけばよいのか。地震保険を代表する「損保」と「共済」の補償と掛金を検証した。

◎貯金が少ない人は迷わず加入すべき

 生保も医療保険も万全といった堅実な読者でも、意外に見落としがちなのが地震保険だ。公的な補償や会社の制度が充実しているがん保険や医療保険よりも、むしろ必要性が高いと考える人も増えているという。

「住宅ローンの残債が多い、預金や財産が少ない、収入源がひとつしかない方は、被災によって全財産を失いかねませんから、必要性が高くなります。掛金が負担になったり、高い補償が不要になったら、見直すこともできます」(ファイナンシャルプランナー・平野敦之さん)

 生活再建に必要な最低限の補償を試算したうえで、損保と共済から、自分に合ったほうを選択すれば、読み違えはない。

《「損保」と「共済」の掛金をシミュレート》
40代・東京在住・新築マンション(65平方メートル)・3人家族で試算

地震保障は火災保険の特約扱い。ベースとなる火災保険、共済の補償額は建物880万円、家財1000万円、風水害補償非加入の場合で試算。保険期間1年。保険未加入でも公的支援として生活再建支援制度により最大300万円の支払いがある。

■損保地震保険+火災保険
(セゾン自動車火災保険「じぶんでえらべる火災保険」)

損保地震保険+火災保険

[掛金]1万9550円/年

[地震時の最大補償額]最大940万円(建物最大440万円+家財最大500万円)

[地震時の損害程度による支払い限度額]
全壊は100%
半損は50%
一部損は5%

[ポイント]
地震保険は政府と民間の損保が共同で運営する制度で、補償内容や金額はどの損保も一律。単独では加入できず、火災保険とセットで契約する。補償額は、建物5000万円、家財1000万円を上限とし、火災保険の30〜50%で設定する。

■全労済 住まいる共済

全労済 住まいる共済

[掛金]1万5040円/年

[地震時の最大補償額]最大376万円(全壊・全焼の最高時・建物のみ)

[地震時の損害程度による支払い限度額]
全壊・全焼は100%
大規模半壊・大規模半焼は60%
半壊・半焼は50%
一部壊・一部焼は10%(損害額100万円超)

[ポイント]
地震などを保障する自然災害共済は、火災共済にプラスして加入する。地震の損害認定は4区分のため、きめ細かい支払いに対応。損害程度が70%でも全壊・全焼扱いになるのが特徴。プランは掛金の低いマンション専用タイプ。

■都民共済 新型火災共済

都民共済 新型火災共済

[掛金]9024円/年

[地震時の最大補償額]最大94万円(半壊・半焼以上・建物のみ)

[地震時の損害程度による支払い限度額]
半壊・半焼以上は100%
一部壊・一部焼は支払いなし

[ポイント]
保障されるのは地震による住宅の半焼・半壊以上の損害であり、加入額により最高300万円までが支払われる。保障額は低いが安い掛金がメリット。この他、都道府県共済のみ地震による死亡や重度障害の保障がある。

地震補償の対象は地震による損壊と火災、噴火による損壊と火災、津波による損壊。損壊建物の構造、延床面積、建物がある都道府県によって掛金は異なる。なお、全労済の加入例は住まいる共済・マンション構造専用プラン(新火災共済+新自然災害共済 標準タイプ)に住宅88口・家財100口の場合。

〈地震の補償不足分はミニ保険「リスタ」でカバー〉

掛金が手頃で、単独加入やほかの保険と併用できるのがSBI少額短期保険の「リスタ」だ。補償額は最大900万円。3人家族なら月2000円台で600万円の補償がつく。補償が少ない共済の補完用としては最適だ。

●ほかの保険との併用ができる

ほかの保険との併用ができる
※都道府県や建物構造により保険料が異なります。

【選択】
掛金は共済のほうが安く済みますが、補償を厚くしたいのであれば損保のほうが補償額の上限は高い。ただ、損保も共済も地震での損害すべてをカバーするものではなく、あくまで生活再建の足掛かりと考えたほうがよいです。住宅ローンの残高などを考慮して選ぶことをおすすめします。

ファイナンシャルプランナー 平野敦之さん
ファイナンシャルプランナー 平野敦之さん

平野FP事務所代表。証券会社、損害保険会社勤務を経て1998年に独立。生命保険から損害保険まで網羅する保険のプロとして活動中。

文/編集部