人目もはばからずにギャンギャン泣いて大暴れ。そんなわが子の感情の昂ぶりに引きずられて、親側も「もう置いていくよ!」と大激怒。これじゃあ世間からは虐待と誤解されるかも? 

泣いて大暴れする子どもには、親としてどう対応すればいいのか? “子育て練習講座の講師”として活動し、二児のパパでもある伊藤徳馬さんに、子どもの怒りに引きずられないための注意点について話を聞いた。

「まずお伝えしたいのが、わが子への怒りの感情をコントロールするのは最大級に難しい行為だということ。これは親にとっては乗り越えがたい壁であり、親になったほとんどの人が経験していることなのです」(伊藤さん 以下同)

●子どもの怒りに引きずられないために

では思わずどなってしまいそうな場面では、親はどのように振る舞えばいいのだろう?

「まずは、自分が冷静になる努力をしましょう。子どもの反抗的な態度にムカッとしたり、泣き叫ぶ子に負けじとさらに大声を出したり…といった“勝負”の土俵からは、まず降りる。自分の怒りを自覚したら、ゆっくりと深呼吸をして心を落ち着かせてください」

大切なのはググッと上がった怒りのボルテージを下げること。深呼吸以外にも「ゆっくりと10数える」「冷蔵庫の中の野菜の在庫を思い出す」など、自分なりの落ち着く方法を見つけておくといい。

「冷静になろうと努力しても、怒りのあまり暴言を吐いてしまったり、手を挙げてしまったりすることもあるかもしれません。そんなときは、あとで子どもにちゃんと謝りましょう。子どもにとっては『悪いことをしたら謝るんだ』という見本にもなります」

●泣きわめいたら落ち着くまで待つのが最善

10回中の1回でもよいので、親の気持ちを落ち着かせることができたら、次は子どもの感情コントロールだ。ここで重要なのはタイミングだと伊藤さんはいう。

「興奮している子どもは、ママの存在が刺激になってますます泣きわめく傾向があります。そんなときはとりあえず落ち着くまで、ほどよく離れて待つのが一番。家の中なら『泣いているとお話できないから、ママは隣の部屋で待っているよ』と伝えてからいったん姿を消しましょう」

ほとんどの子の興奮のピークは5分程度。だんだんと静かになって、しゃっくりをあげ始めたらゴールはもうすぐだ。ただし、ここで早まって声をかけるとまた感情がぶり返すことも。泣き疲れて完全に落ち着くまでは静かに見守ろう。

「落ち着いたら、落ち着いたことをほめてあげてください。『えらいね、落ち着けたね』と」

あとはその日の夜にでも、「今度からは泣きたくなったら深呼吸してみよう。ママもしているよ」と教えて、一緒に深呼吸の練習をするのがおすすめだ。実際に吸って吐いてと真似をさせてみて、「できたね。えらいね」とほめてあげればここで一件落着。

もちろんいきなりは上手くいかないかもしれない。だが何回か同じシチュエーションを繰り返せば、子どもは必ず学習していく。親も子も試行錯誤しながら、それぞれが怒りの感情をコントロールできるよう、ゆっくりと頑張っていこう。

(阿部花恵+ノオト)