8日、華字メディア・日本新華僑報網は2020東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による「君が代苦言」問題を取り上げ、日本人と国歌との関係について分析した。写真は日本国旗。

写真拡大

2016年7月8日、華字メディア・日本新華僑報網は2020東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による「君が代苦言」問題を取り上げ、日本人と国歌との関係について分析した。

「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」。3日、東京・代々木の体育館で行われたリオデジャネイロ五輪の代表選手団の壮行会の際、森会長は来賓のあいさつでそう発言した。壇上には選手ら約300人がいたが、森会長は直前の陸上自衛隊中央音楽隊の松永美智子陸士長による国歌独唱時の様子を振り返り、「どうしてみんなそろって国歌を歌わないのか」と問いかけ、「口をモゴモゴさせているだけではなく、声を大きく上げ、表彰台に立ったら、国歌を歌う」ように選手団に呼びかけた。

記事は日本の選手は必ず起立して国歌を斉唱しなければならないのかと問いかけた後、日本国憲法では「NO」だと指摘。続けて、かつて東京都教育委員会が2003年10月23日付で都立学校に「通達」を出し、教職員に入学式や卒業式の際「国旗に向かって起立し国歌を斉唱する」よう求め、それに従わなかった教職員約400名を懲戒処分にした事件を紹介。この事件は後に懲戒処分を受けた教職員たちがその取り消しを求めて提訴し、東京地方裁判所(難波孝一裁判長)は2006年9月21日に、被告・東京都教育委員会による教職員に対する「国旗・国歌の起立・斉唱強制」を「違憲」とし、損害賠償の支払いを認める原告全面勝訴の判決を下している。

日本の裁判所では以上のような判決が出ているものの、2015年6月には当時の下村博文文部科学大臣が全国86の国立大学の校長に「入学式と卒業式には必ず国旗掲揚と国歌斉唱を行う」ように要請した。さらに安倍首相も参議院の予算委員会で国立大学は国家の税金で運営されている以上、政府からの要請は正しく執り行うべきだと述べている。この後、毎日新聞が全国86の国立大学に調査を行った結果、76の大学が国旗を掲揚し、14の大学が国歌を斉唱していることが判明した。そのうち、6つの大学は下村文部科学大臣の要請の後に実施を始め、5つの大学は国歌の「独唱」のみを取り入れている。

他方、記事は今年の入学式でユニークな取り組みを行った和歌山大学の事例を紹介し、同大学は留学生の母国の国旗と友好関係にある海外の学校の国旗を日の丸と共に掲揚した。岐阜大学では学校の伝統により、入学式か卒業式かを問わず、校歌のみを歌い、国歌は歌わないとしている。この岐阜大学の態度について、馳浩文部科学大臣は「恥ずかしい」とコメントをした。

最後に記事は、日本の国立大学はできるだけ大学の自治権と学問の自由を守ろうとしているが、毎年の運営費を政府に頼らなければならないという大学の台所事情を紹介した。日本政府の国立大学への運営費交付金は毎年削減されており、その多寡が往々にして各国立大学の命運を左右する。日本人が国旗・国歌問題で政府に頭が上がらないのはとどのつまり「お金」の問題なのだと記事はまとめた。(翻訳・編集/矢野研介)