MMORPGの元祖?『Habitat(ハビタット)』のソースコードが公開

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1986年生まれで元祖MMORPG(大規模オンラインRPG)ともいえる『Habitat』のソースコードがGithubにて公開されました。元々はアメリカ生まれで、それを購入した富士通が「富士通Habitat」として1988年から運営し、国内でも少なからずのユーザーにも親しまれたサービスです。

『Habitat』を作ったルーカスフィルム・ゲームスは、『スターウォーズ』などのゲーム化を手がけたルーカスアーツ(2013年に解体)の前身となったコンピュータゲーム会社。さすがルーカス関連らしく『Habitat』もビジュアルにこだわり、まだテキストによるチャットも珍しかった時代に(日本最古のパソコン通信サービスの一つ・PC-VANの発足と同じ年)2Dのアバターを通じた会話を実現していました。

富士通は「ビジュアル通信」と呼んでいましたが、一応はアバターを操作でき、アイテムを着飾ったり家を持てたり、ユーザー同士のもめごと対応に運営が追われたり、現在のMMOがそなえる必須要素は『Habitat』に先取りされていたわけです。

本国アメリカでは1986年にスタートして、わずか2年で終了。その後、1990年にサービス開始した日本では富士通のFM TOWNSだけでなくNECのPC-9801やMac用のクライアントソフトも提供され、96年には全面リニューアルした『Habitat IIエリシウム』、2000年には女性層の拡大を狙ったJ-チャットとして再オープンし、2010年まで継続。むしろアメリカより日本のユーザーに馴染み深いサービスかもしれません。



このソースコードの公開に尽力したのが、ビデオゲーム関連施設のMADE(Museum of Digital Art and Entertainment/米カリフォルニア州オークランドに所在)。その創設者Alex Handy 氏は、プログラムを開発したChip Morningstar氏およびRandy Farmer氏に連絡を取り、ソースコード復活に向けて動き出しました。

『Habitat』を未来の世代に体験や研究してもらいたいという義務感に駆られたHandy氏は、権利面を処理するために富士通にコンタクトを取ったところ、快諾されたとか。そして数ヶ月の作業と2014年9月にMADEで開催されたハッカソンにより失われたコードも復元され、『Habitat』のソースコードは公開できる状態にこぎつけたわけです。

Handy氏らはこれで終わりにするつもりはなく、さらなる目標があると語っています。一つは『Habitat』を現代のLinuxサーバーで稼働させること。もう一つは、当時『Habitat』サーバーを運用していたAOLから追加のコードを手に入れることだそうです。

すでに30年前のサービスで思い入れのある人や世代は限られ、ソースコードだけあったところで動作させられるサーバーがなければどうしようもありません。とはいえ、今あるネットでのコミュニケーションのいいこともネガティブなことも一番乗りした先駆けであり、歓声も罵声も受け止めたシステムに思いを馳せて、コードを眺めてみてはいかがでしょう。