堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える本連載。今回の相談者は、智子さん(34歳・IT関連会社勤務)です。

「社内恋愛禁止という会社に勤務しています。これには、かつて社内結婚が多く、産休育休取得者が激増し、会社の業務が回らなくなったという背景があります。特に明文化されているわけではなく、社内の雰囲気がそうなっています。40代の役員の方などは社内恋愛をして結婚するも離婚しており、社内恋愛に対していい印象を持っていないことを明言しています。実際に社内恋愛した人は、女性側が仕事を辞めていることが多いと感じます。

しかし、私は今、同じ部署の先輩の男性(バツイチ)と真剣に交際していて、結婚することを考えています。私は新卒からウチの会社に入っており、これからずっと結婚しても今の会社で仕事を続けたいのですが、それは法律的にNGなのでしょうか。

労働基準局などに相談に行くことも考えたのですが、社内恋愛については管轄外のようです。この場はどこに相談に行き、どのように対処すればいいでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

社内恋愛禁止は、法律的にどうなのか、柳原桑子先生のアドバイスは以下です。

恋愛は本来自由に行なわれるべきものですが、会社で社内恋愛を禁止することについては、企業秩序や法的リスク等の観点から、全く不合理とまでは言えないのが社会的な考え方でもあります。

秩序維持という点では、社内恋愛をしている男女が始終ラブラブしていて仕事効率が下がるとか、その態様が目に余り社内の雰囲気が悪くなるといった面が考えられます。また、法的リスクという点では、担当者限りに課されている企業秘密の保持が危うくなったり、不公平な業務命令が実施される等のことが考えられます。

とはいえ、社内恋愛発覚がすなわち当然に処分につながるかといえば、そうとも言い切れません。処分のためには、予めの定めがあり、処分することの合理的な理由があり、処分内容が社会通念上妥当であることが必要となってきます。

結局、社内恋愛の果てに結婚するという場合には、会社に秘密にしておくというわけにもいかず、言わざるをえないだろうし、その場合には会社がいかなる対応を取るかによって、その措置に不満があれば措置の適法性という点で法的議論になるものと考えられます。

事前相談として、適する場所を示すのは難しいと思います。まずは、労働問題に精通した弁護士に相談するのがよいでしょう。

社内恋愛はOKでも、結婚となると男女のどちらかが退職する……という会社はまだ多い。



■賢人のまとめ
会社の考え方の真意を知り、労働問題に詳しい弁護士に相談するのもアリですよ!

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/