中国の李克強首相は6月の国務院常務会議において、中国国内の鉄道インフラネットワークをさらに拡充するための具体的な計画を示したが、香港メディアの鳳凰網はこのほど、中国がやみくもに鉄道網を拡充すれば、すでに深刻化している生産能力の過剰がさらに悪化することになると警告した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国の李克強首相は6月の国務院常務会議において、中国国内の鉄道インフラネットワークをさらに拡充するための具体的な計画を示したが、香港メディアの鳳凰網はこのほど、中国がやみくもに鉄道網を拡充すれば、すでに深刻化している生産能力の過剰がさらに悪化することになると警告した。

 李克強首相が示した計画には、中国の鉄道の輸送密度が先進国に比べて低いうえに、鉄道網の配置が不完全であること、逆に鉄道網の拡充は経済の大動脈として投資や消費の増加につながるなど「一挙多得」の方法であると国務院常務会議が認識しているという背景がある。

 この計画を推進するための具体的な措置は5つある。隣り合う大中都市間を1時間から4時間で移動、また都市内を30分から2時間で移動できる交通圏を実現する、一般の鉄道網を充実させ、県レベル以上の行政区を基本的にカバーする、乗り換えを距離ゼロで行うために駅に鉄道以外の交通手段と連携できる総合交通システムを建設する、高速鉄道と沿線区域の協力を促進し、製造業と経済のグレードアップを実現する、鉄道網が発達していない中西部鉄道建設における投資を増やすという5つだ。

 記事はこの計画のための2016年度予算は「8000億元(12兆円)以上」だと説明する一方、「中国の高速鉄道に投資の余地があるのは主に大都市であり、もし投資地域を誤れば深刻な過剰生産が生じることになる」と指摘した。さらに「中国中西部は人口が少ないため、もし鉄道を新たに建設すれば長期的な貨物・旅客不足により深刻な赤字が生じる」と指摘した。

 また「鉄道は人口が多く、人口密度の高い地域に建設する」というのが「鉄道経済の法則」であり、中国国内に鉄道網の発達している場所とそうでない場所という不均衡が存在するのは当然であるという見方を示した。

 つまり、鉄道経済の法則を無視した中国の鉄道網拡充計画は必ず失敗するというのが記事の主張の要点だ。盲目的な鉄道網の拡充には「一挙多得」どころか膨大な債務負担という結果が待ち受けているだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)