7日、中国で土壌汚染が極めて深刻な状況にあり、河北省の村々では謎の奇病まで多発している。写真は14年、政府に汚染企業の取り締まりを訴える住民。

写真拡大

2016年7月7日、中国で土壌汚染が極めて深刻な状況にあり、河北省の村々では謎の奇病まで多発している。中国紙・参考消息(電子版)が伝えた。

【その他の写真】

スペイン紙エル・パイスによると、河北省の大営村は「皮の都」と呼ばれる皮革・毛皮産業の一大都市・辛集市に隣接しており、村内には周辺の工場から出た大量の産業廃棄物が山積みにされ、ひどい悪臭が漂っている。また、工場で生産に使われた化学物質が川に捨てられ、ここからも異臭がしており、飲用水が汚染された村人は何度も苦情を申し入れているという。

ある村人は「よくわからない病気にかかっている人がたくさんいる。まだ若いのにがんになってしまう人もいる」と話す。さらに、2年前に植林した200本ほどの楊の木はすべて枯れ果てた。そのそばで農業を営んでいる村人も、「家計のすべてを支える小麦はまったく収穫できなくなった。水が汚染されたからだ」と涙ながらに訴えている。

しかし、こうした事例は大営村に限ったことではない。土壌汚染は大気汚染と同様、中国各地に見られる深刻な問題となっている。

中国国土資源部は2005年から2013年に調査を行い、2014年調査結果を発表した。それによると、中国全土の観測地点で土壌汚染が基準を超えているのは16.1%。耕作地では19.4%に上り、農業用水が汚染された田畑は330万ヘクタールに達している。汚染の原因は工場排水も含めさまざまだが、殺虫剤の過剰な使用も原因になっているという。

中国政府は5月31日、3年かけて整備した「土壌汚染防治行動計画」を公布した。2020年までに土壌汚染を基本的に抑制し、2030年までに土壌環境を徐々に改善させ、2050年までに全面的に改善させるというものだが、この計画にはすでに問題が指摘されている。

必要な関連法の整備ができておらず、計画の実施そのものが不可能な上、中国環境保護部の専門家は「2014年に発表された調査の信頼性も低く、確実な統計データをより多く集める必要がある」とし、2018年内にすべての耕作地の汚染状況を調べることを目標にしていると話している。また、高いコストも問題となっている。(翻訳・編集/岡田)