韓国フェンシング史上初となるオリンピック4大会連続出場。なかなか成し遂げることが難しい特別な記録の主人公が、フェンシング韓国代表ナム・ヒョニ選手だ。

彼女は1981年生まれの34歳。高校のときから、将来有望なフルーレ選手として注目を集めていた。ただ、唯一のハンディキャップと言われたのが154センチ、体重44キロという小柄な体格。身長はリーチに直結する。フェンシングは長身の外国人選手と対戦することが多いだけに、その体格を心配する人もいたそうだ。

しかし、ナム・ヒョニは、持ち前の明晰な頭脳、足の速さ、落ち着いた性格でそれらの心配を吹き飛ばした。2004年に韓国代表に選抜され、2005年世界選手権の女子フルーレ団体戦で優勝。2006年アジア大会では女子フルーレ個人戦・団体戦で金メダルを獲得し、国際大会でも活躍できると証明して見せたのだ。

世界にその名をとどろかせたきっかけは、2008年の北京五輪。

それまで韓国ではあまり人気がなかったフェンシングが、ナム・ヒョニのフルーレ個人戦決勝進出とともに一気に注目を浴びた。

北京五輪の決勝戦の対戦相手は、当時世界ランキング1位だったイタリアのマリア・ヴァレンティーナ選手。強敵を迎えたナム・ヒョニは、追いつ追われつの接戦の末に逆転負けしてしまった。メディアや国民からは「惜しい銀メダル」と言われたものの、その銀メダルは韓国フェンシング史上初となる貴重なオリンピックメダルでもある。

そして2012年ロンドン五輪で雪辱を期すも、3・4位決定戦でまたもやマリア・ヴァレンティーナ選手に敗北。とはいえ、ナム・ヒョニのおかげでフェンシングはすっかり人気種目となり、彼女自身にも、そのキリリと締まった表情から“美女剣客”というニックネームがついた。

しかし、ロンドン五輪後、結婚して一児の母になったナム・ヒョニは、自然とそのニックネームを後輩のキム・ジヨン選手に譲ることに。

(参考記事:【リオ五輪美女】韓国フェンシング界のシンデレラ、“美女剣客”キム・ジヨン

現在は、“ママ剣客”としてリオ五輪に向けて猛練習中だ。これが彼女の最後のオリンピックになるという。インタビューではこんなことを言っていた。

「3歳になった私の娘はもうメダルの色を見分けられる。オリンピック銀メダル・銅メダルは持っているので、今度は金メダルを娘に見せてやりたい」

今度こそ念願の金メダルを手にし、自慢の母になれるか。ナム・ヒョニの活躍を見届けたい。

(文=S-KOREA編集部)