6日、中国の新型輸送機「運−20」が正式に配備された。南シナ海で中国軍が演習を行っており、仲裁裁判の判定も間近に迫った時期の運用開始となった。写真は運−20。

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2016年7月6日、中国軍事委員会の許其亮(シュー・チーリアン)副主席と中国空軍の馬暁天(マー・シャオティエン)司令官が中国の新型輸送機「運−20」の配備セレモニーに出席した。米華字メディア・多維新聞が伝えた。

運−20は中国が独自に開発したとされる大型輸送機。2007年に計画がスタートし、2013年1月に初飛行、2016年7月に正式配備となり、わずか9年で運用にこぎつけた。機体は全長47メートル、全幅45メートル、前項15メートルで、最大速度は時速920キロ。上昇限界高度1万3000メートル、最大積載量は66トン、最大航続距離7800キロ。

エンジンはロシア製のD−30KP−2ターボファンエンジンを4基装備しているが、将来的に国産の瀋陽WS−20エンジンに載せ替えられる予定で、離陸滑走距離は短く、航続距離は長くなるという。今後は燃料輸送や物資の補給、兵員輸送などを本機が担当することになる。

これまで、南シナ海問題に関する米中の対立について、中国は地理的に優位にあるが、輸送をはじめとする軍備で大きく後れを取っていることから、「米国有利」との見方が強かった。しかし、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)の滑走路完成と運−20輸送機の正式配備によって状況が一変することが予想されている。

中国には長年にわたって大型の軍用輸送機がなく、海外からの輸入に頼るしかなかった上、輸送力の低さが軍事面で大きな足かせとなっていた。しかし、今後は輸送力が大幅に向上し、中国軍の戦略・戦術にも影響することになるとみられている。

南シナ海の西沙諸島では中国軍が軍事演習を行っている最中であり、しかも、南シナ海問題の仲裁裁判の判定も間近に迫ったこの時期の運用開始とあって、今後の動向は国際的にも注目されている。(翻訳・編集/岡田)