食事管理の徹底ぶりを語った長友佑都選手(写真は2010年7月撮影)

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管理栄養士やプロのシェフ顔負けの腕前と知識で、一流男性アスリートの食事を支える女性たち。妻や母、姉、妹なら栄養面だけでなく選手本人の好みを知り尽くしていても不思議ではない。

たとえば、サッカー日本代表でイタリア・セリエA、インテル・ミラノ所属のDF長友佑都選手の食事を作っている女性は、長友選手の面倒をみるためにイタリアに住んでいる。その胃袋をつかんでいるのは、やっぱり、うわさの「アモーレ」なの?

「疲労回復、抗酸化作用に優れた食材」と太鼓判

長友選手は2016年7月1日放送の「another sky」(日本テレビ系)に出演し、イタリアでの生活を紹介。食事管理についても明かした。

長友選手は、16年6月に女優・平愛梨さんとの交際を発表したばかりだが、傍らで長らく料理の腕を振るってきたのは、姉・麻歩さん。その食事メニューは「野菜やタンパク質のバランスがよく、筋肉を修復してくれる」という。長友選手は、母が仕事に出ていた関係で小学校4年生の時から姉の料理を食べており、絶大な信頼を寄せている。好みもよく分かっていて、長友選手がミラノに引っ越した時に仕事を辞め、イタリアに渡ってきたほどだ。

長友選手は、結婚相手には

「『私料理作れないよ』っていう女性は正直難しいですね。今できなくても、努力できる女性であってほしい」

と条件をつけている。気になる平さんの腕前だが、「(平さんの)料理はすごくうまい」と話す。平さん自身、14年7月27日放送の「おしゃれイズム」(日本テレビ系)出演時に手慣れた包丁・フライパンさばきを見せ、普段から料理している姿を披露した。確かに長友選手も安心して台所を任せられるかもしれない。

食事管理には細部にわたって気を遣っている長友選手。16年5月16日放送の「やべっちFC」(テレビ朝日系)では、「2016年から、食べる物はオーガニックで揃えている」と明かし、以来「内臓脂肪が2キロ落ちて体が軽くなり、試合中の集中力が続くように脳も変わった」と好調を感じている。また、麻歩さん作のある日の夕食を紹介。アスパラガスとアボカドのサラダ、マグロのソテー、わかめときゅうりの酢の物、納豆、ブロッコリーとアーモンドミルクのスープ、と食材を豊富に使用した1汁4菜のメニューだった。

長友選手のこうした食事内容に言及していたのが、管理栄養士の麻生れいみさん。2016年5月23付のブログで「マグロは疲労回復物質あり 抗酸化作用に優れた食材を取り入れていて素晴らしい」と述べている。パセリや生カカオ豆、ナッツ類をトッピングに使用している点も取り上げ、「野菜の捨てるような部分にもたくさんの栄養価がある」として評価した。

宇佐美貴史の好物・カレーに工夫を凝らした妻

家族に食を支えられているのは、長友選手に限らない。同じサッカー日本代表のFW宇佐美貴史選手の妻・蘭さんも献身的に夫をサポートしており、2016年1月31日放送の「めざましテレビ」(フジテレビ系)では家庭料理を紹介した。

宇佐美選手はカレーが大好物というが、一般的にカレーは脂質が多く高カロリーだ。15年4月、代表に招集された宇佐美選手の体脂肪率は14.1%で、12%を規定値にするハリルホジッチ監督から数値の高さを指摘された。これを受け、蘭さんはカロリーが高めのカレールーを減らし、具材は長時間走るサッカー選手に欠乏しがちな鉄分を多く含む赤身の合いびき肉を使用するといった工夫を凝らした。その結果、宇佐美選手は体脂肪率12%以下にシェイプアップし、その後も維持できているという。

蘭さんは自身のブログでも宇佐美選手に作る料理をたびたび紹介している。12年8月18日には、

「基本的には、肉類、魚介類、キノコ類、野菜類、豆類、海藻類、穀類は取り入れるようにしていて 色々な栄養をバランス良く摂取できるように、なるべく様々な食材を使うようにしています」

と献立を決める際に意識していることを明かした。

食材が豊富だと何が良いのか。管理栄養士の飯田朋子氏は、大学生協阪神事業連合が発行する会報の中で、「コレだけ食べていたら全ての栄養素がとれるという食品はありません。食品の種類が豊富であるほど、栄養のバランスはとれる」と、そのメリットを書いている。代謝を円滑にし、体調を整えるには約20種類のビタミンと約30種類のミネラルが必要だとし、野菜やキノコ、海藻類をまんべんなく食べることで、これらの栄養素をバランスよく補給できるという。会報はアスリートに特化して書かれたものではないが、食材を多くそろえる重要性がうかがえる。

アスリートの食事は特別ではない

特別な資格を取ったアスリート妻もいる。米メジャーリーグ、ロサンゼルス・ドジャースの前田健太投手の妻・成嶋早穂さんは、2012年の結婚を機に「ジュニア・アスリートフードマイスター」を取得した。アスリートのコンディショニングに特化した食の知識や食事指導方法を学んだ人が得られる資格だ。

早穂さんは14年4〜10月、8回にわたり、ウェブマガジンと電子書籍のサイト「幻冬舎プラス」でコラム「前田家の食卓。」を連載し、献立作りのコツを紹介。初回(14年4月3日掲載)は、「気にしているのは食べるタイミング」とポイントを示した。たとえば、登板3日前からエネルギーを生み出す食事にシフトする。炭水化物を効率よくエネルギーに変えるビタミンB1を含む豚肉や、ビタミンB1の吸収を助けるアリシンを含むネギを使った料理を意識して作る。食事内容が変わった前田投手は「疲れにくくなった」と実感しているという。

同時に早穂さんは、

「アスリートの食事って聞くと、特別なものを食べているように思われがちなのですが、基本的に必要な栄養素は、一般の方と変わらない」

と書いている。アスリートでない人も、普段の食事で参考にできる点は多そうだ。