ブレグジットが教えてくれること、仕事に生かせる4つの教訓

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英国による欧州連合(EU)からの離脱の決定は、私たち全てに対する警告だ。私たちはこの結果から、個人的な、または仕事上でのリーダーシップについて、いくつかの点を学ぶことができる。

まず、この問題に関する英国民の選択は、EU指導部、デービッド・キャメロン英首相、EUからの「離脱派」を率いた与党・保守党のボリス・ジョンソン前ロンドン市長、これらすべてのリーダーシップにおける大きな失敗の結果だ。

同時にこれは、ジョンソンをはじめとする大勢の人たちの強力なリーダーシップの結果でもある。つまり、彼らは「指導者は同時に失敗も成功もできる」ということを改めて証明したということだ。

そして、私たちが学べることは、具体的には以下の4つだ。

1. 率いるべき「人」が必要

EU指導部は、英国民が何を懸念しているか以前から知っていた。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、英国は離脱すると脅しているだけだと思っていた。だが、その考えは誤りだった。

アンゲラ・メルケル独首相も同じ過ちを犯していた。メルケルは、英国は何でも自分の言うことに従うだろうと思い込んでいたのだ。

学ぶべきこと

指導力を発揮することとは、有意義な共通の目的を実現させるために、人を鼓舞し、共に最善を尽くしてもらえるようにすることだ。重要なのはあなたではなく、チームでもない。掲げた共通の目的と、その動機だけだ。リーダーがこれに集中していれば、他の人たちもそれに続くはずだ。

2. 戦いの場は賢く選択

英ウェリントンが率いる連合軍がワーテルローの戦いでナポレオンに勝利することができたのは、丘の上に陣取ったことが一因だとされている。

後に歴史は、キャメロン首相は国民投票を実施すると決定した時に、丘の上の陣地を手放したのだと教えるだろう。首相は国民を統制することができず、また統制しなかった。だが、議会を統制することはできたし、実際に統制していた。つまり、戦いの場は議会にしておくべきだったのだ。

学ぶべきこと

あなたが最も気に掛ける人たちにとって、最も重要なことは何かを理解しておく必要がある。戦いの場を選び、勝利する方法を考える際には、その最重要点に気持ちを集中させることだ。

常に全ての戦いに勝つことはできない。だが、最も重視する戦いに力を集中されれば、そこでは勝つことができる。

3. 指導力を発揮する用意を

米紙ニューヨーク・タイムズが指摘したとおり、ボリス・ジョンソンをはじめとする離脱派のリ―ダーたちは、走る車を追いかける犬のようなものだった。車に追い付いたらどうするか、何も考えていなかったのだ。

離脱の手続きを定めたEU基本条約(リスボン条約)50条に基づき、どのように交渉を進めるかについても、離脱後の貿易協定の交渉の仕方や移民政策、その他のことについても、全く何の計画もなかった。つまり、指導力を発揮する準備ができていなかったということだ。これが、ジョンソンが保守党の党首選に出馬しないことを決めた理由の一つだろう。

学ぶべきこと

「もし〜だったら」と考えておこう。不測の事態、そして予想外の”前進”にも備え、対応策を用意しておく必要がある。

4. 議論はまず感情的に

そうは言っても、ジョンソンや離脱派は国民を説得する上で、優れた働きをした。彼らは一貫して、簡潔なメッセージを送り続け、有権者たちとの間に感情的なつながりを築いたのだ。

「移民が英国民から仕事を奪っている、その問題から国民を守る」「毎週3億5,000万ポンドを拠出金として吸い上げているEUの官僚たちから英国を守る」という離脱派の感情的な主張は、長期的な経済の安定を訴える政府の理性的な主張に勝つことができた。

学ぶべきこと

指導力を発揮する際には、まず感情的な問題を指摘し、それを支持する理性的な議論を展開しよう。

必要なのは、戦う場を選ぶこと、感情に注意を向けること、そして、他の人たちを率いる準備を整えることだ。