23歳の女性に性的暴行を働いた容疑で告発された韓国人メジャーリーガー、カン・ジョンホ。今でこそ“渦中の人物”になってしまったが、韓国では球界を代表するスラッガーとして人気者だった。

名門・光州(クァンジュ)第一高校時代は投手兼捕手で活躍し、捕手としてドラフト指名され2006年に高卒でプロ入り。プロ入り後は強肩と守備のうまさを買われて遊撃手に転向した。

以降、2012年からは3年連続してゴールデングローブ賞に輝いている。高校時代から定評があった打撃も素晴らしく、2014年は3割5分6厘・40本塁打・117打点を記録。2014年には2度目のアジア大会で2度目の金メダルを手にしただけではなく、所属するネクセン・ヒーローズを史上初の韓国シリーズに導き、プレーオフMVPにも輝いている。

そんな彼がポスティングでのメジャーリーグ挑戦を表明したのが2014年冬。ピッツバーグ・パイレーツが500万2015ドルで応札して交渉権を獲得し、4年総額1100万ドルで契約しているが、その高額条件に韓国メディアも大興奮だった。

というのも、ポスティング入札金を合わせて総額1700万ドルでメジャー進出することになったが、その金額は日本人メジャーリーガーたちのそれと比較しても、遜色ないからだ。

アジア野手としては、2000年末に3年総額2712万ドルでシアトル・マリナーズ入りしたイチロー、3年総額1432万ドルでクリーブランド・インディアンズに進出した西岡剛に次ぐ3位の好条件。

「イチロー、西岡は3年契約で、青木宣親は2年契約だったが、カン・ジョンホは4年契約。潜在能力が高く評価された。特に近年は日本人野手たちの失敗がある多発しているにもかかわらず、今回のような高額条件を得た意味は大きい」(ネットメディア『OSEN』)と報じるところもあれば、同じく遊撃手でFA権を行使してメジャー進出を目指すも断念した鳥谷敬を引き合いに出しながら、「韓日の遊撃手、喜悲分かれる」(『イルガン・スポーツ』)と報じるメディアもあった。

第1回〜第2回WBCで韓国代表を率いたキム・インシク監督も、カン・ジョンホと鳥谷の明暗を目の当たりにして、「もはや韓国打者たちのレベルは日本に追いついた」と誇らしげに語っているほどなのである。

ただ、松井稼頭央、岩村明憲、中島裕之、西岡剛などアジア系内野手が成功した例は少なく、韓国人野手でメジャーで成功しているのはテキサス・レンジャーズのチュ・シンスくらいだったこともあって、カン・ジョンホのメジャー挑戦には一抹の不安も付きまとった。

チュ・シンスは高校卒業後にアメリカに渡り、4年間のマイナー生活を経て2005年からメジャーリーガーになったが、カン・ジョンホのように韓国プロ野球を経験してメジャーに挑むのは初めてだっただけになおさらだった。アメリカの一部のファンやメディアの間では「年俸400万ドルのバックアップ内野手」との陰口も囁かれた。

それでも1年目は確かな結果を残したカン・ジョンホ。今季もケガから復帰すると、いきなり2試合連続ホームランを放つなど存在感を示していただけに、性的暴行スキャンダル発覚のショックは大きい。

はたしてカン・ジョンホは今後どうなるのか。そのイメージを大きく失墜させてしまったことだけは間違いない。

(文=S-KOREA編集部)