スーツ姿の兄・六太とややとんがり頭の弟・日々人が、兄弟で一緒に月を目指す物語。

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本日7月7日午前10時36分。大西卓哉宇宙飛行士を乗せたソユーズ宇宙船がISS(国際宇宙ステーション)に向かって打ち上げられる。

宇宙開発に関わる人へのインタビュー集『We are 宇宙兄弟 宇宙飛行士の底力)』に大西さんも登場している。


目次は以下の通り。

第1章 宇宙の「黒」は、僕をあたたかく包み込んだ。 毛利衛
第2章 宇宙、人生そのもの。 山崎直子
第3章 新人宇宙飛行士、誕生! 油井亀美也・大西卓哉・金井宣茂
第4章 宇宙から、すぐに、直接届けたい。 野口聡一
第5章 地上管制官と宇宙飛行士は、双子の兄弟だ。 内山崇
第6章 海に潜るように、宇宙に潜れ! 山方健士
第7章 「普通」の宇宙飛行士を、いつも見ている。 相良久美子
第8章 私は、科学者の手足になりたい。 古川聡
第9章 宇宙で働く男。 星出彰彦
第10章 リーダーの仕事は、任命される前から始まっている。 若田光一
おわりに
宇宙飛行士になるには?

この本が発売されたのは2012年の3月。大西さんは同期である油井・金井両宇宙飛行士とともに基礎訓練を終え、2011年の7月にJAXA宇宙飛行士として認定を受けている。

宇宙兄弟で読んだことがあるようなサバイバル訓練


訓練では、「野外リーダーシップ訓練」が一番の印象に残ったという大西さん。人によってリーダーシップのとり方に違いがあるというところに面白さを感じた半面、水不足には苦しめられた。
野外リーダーシップ訓練とは『日替わりでリーダーを決めて、その日の目的を遂行するための行動計画──どういう順番でメンバーを出発させるか、どのタイミングで休憩を入れるか──などを、リーダーが中心になって細かく立てていく。』(本書より引用)というサバイバル式の訓練のこと。

小山宙哉著作の漫画『宇宙兄弟』でも見たことがある。

宇宙飛行士候補生となった主人公・南波六太(ムッタ)が受けたものとそっくりだ。6日間のうちに70km先の目的地まで砂漠を歩き続ける訓練。6人1組で他の班と順位を競い、日替わりでリーダーを交代する。
この訓練の間、六太が38.9°の熱を出してしまったり、同班の新田が大事なケータイ電話を落としてしまったりとハプニングが続出。
「宇宙からの帰還時に、宇宙船が着地地点をずれてしまった際に向けてのサバイバル術を学ぶこと」、「チームワークの理解を高めること」がこの訓練の意図であると六太は考えていた。

3人は「同じクラスの仲間」


油井・大西・金井宇宙飛行士はJAXAによる2009年の宇宙飛行士選抜試験で訓練生としてともに選抜されている。彼らは「同じクラスの仲間」だった。第3章2ページ目には3人が肩を組んで笑顔を見せる写真がある。
1年前の7月23日には油井さんがISSへと出発し(同年12月11日帰還)、本日7月7日には大西さんが、来年11月には金井さんも出発する(大西さんは約4か月間、金井さんは約6か月間の滞在予定)。

『人という字は支え合っているのではない 「支える者がいて」 「その上に立つ者がいる」』(単行本8巻より引用)
六太が月に出発するとき、同期の日本人宇宙飛行士からメールをもらったり、閉鎖環境試験で寝食を共にしたかつての選抜試験受験生も日本から応援にかけつけたりしていた。
今日、ISSへと出発する大西さんとそれを見送る金井さんと油井さん。なにかメールでも送りあったりしているんだろうか。
(山川悠)