今井絵理子オフィシャルサイトより

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 参院選の新人タレント候補、SPEED今井絵理子(自民党比例代表)に苦戦が伝えられる。選挙戦当初の都内演説は70人程度の聴衆しか集まらず、歌手としての人気が過去のものであることを露呈してしまった。かつてのファンはどこへ行ってしまったのかとも思うが、実はファンの間では「できれば落選してほしい」という意外な反応が見られるのだ。

 先日、大宮での演説を「見に行った」という30代女性は、SPEED時代からの熱狂的ファン。

「握手できたのは感激だったけど、演説はちゃんと聞かなかった。だから“見に行った”という感じなんです。というのも、最初は選挙を応援したいと思っていたんですけど、実際に演説している姿を見たら違和感が強くて、思わず『演説じゃなくて歌ってください』って本人に言っちゃいました。昔はツーショット写真をお願いしたら笑顔で受けてくれたのに、今回はダメだと言われました。当選したら6年も政治家をやって、歌手活動ができなくなり、遠いところに行くのは見えているので、本心は落選して歌手に戻ってほしいんです。私は今も再結成の夢をあきらめていませんが、政治家で成功しちゃったら再結成は絶望的ですからね」

 同様の意見は、ネット上でも散見される。好きなアーティストに「SPEED」や「今井絵理子」の名前を挙げてブログやSNSに書き込んでいるファンの声を見ると、口々に「あえて彼女に投票しない。政治じゃなく歌をやってほしいから」というような主張が見つかる。

 また、ある政治記者によると「千葉県内の演説で握手を求めていた女性に『今井さんに投票しますか?』と聞いたら、『それはまた別の話』と鈍い反応だった」という。「歌手・今井絵理子」を求めるファンの票が期待できないのであれば、自民党陣営にとって大きな誤算だろう。

 ただ、現在の今井は、歌手としての人気が高いとはいえない状況にはあった。昨年、SPEEDの島袋寛子と新ユニット「ERIHIRO」を結成したが、シングル曲は大きくヒットせず、活動は続いていなかった。そんな中で今年2月に出馬を表明したが、約3年で離婚した相手、175RのSHOGOとの間に生まれた長男が感音性難聴であることから手話を披露し、「障害児童が希望を持てる社会作り」と訴える以上の政治信条は伝わっておらず、毎日新聞が行った候補者アンケートでも、憲法改正や消費税の引き上げなど24の質問すべて無回答というありさまだ。

 さらには、元風俗店経営の婚約者の男性が昨年3月、女子中学生らに売春などみだらな行為をさせた児童福祉法違反容疑で逮捕(処分保留の不起訴)されたことが報じられ、出身の沖縄県での反発が強い自民党とあって選挙活動中は極力党名を出さないネガティブ戦略が指摘されるなど、何かと逆風が伝えられている。

 タレント議員への抵抗感が以前より強いといわれる今選挙、残りの選挙戦は頼みの綱のファンをどれだけ惹きつけられるかが焦点になりそうだが、当のファンは複雑な胸中で投票所へ向かうようだ。
(文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)