マーリンズ・ボンズ打撃コーチ【写真:田口有史】

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打撃練習では柵越え連発、強打者スタントンやオズナを凌ぐパワー披露

 メジャー通算3000安打達成が残り「10」本に迫る中、オールスター出場の待望論が沸き起こったマーリンズのイチロー外野手だが、残念ながら先日発表された選出選手にその名前はなかった。6年ぶり11度目の球宴出場への道は閉ざされたかのように思えたが、どうやらまだ秘策がありそうだ。その秘策とは…ホームランダービー出場! 伝説のホームラン王でもあるマーリンズのバリー・ボンズ打撃コーチが、ホームラン競争に出場したら「イチローは余裕で優勝できる」と断言した。米地元テレビ局「FOXスポーツ」が報じている。

 今季は本塁打0本、2014年から2本しか記録していないイチローだが、あの細身の身体には秘められたパワーが眠ることを誰よりも知っているのは、MLB歴代トップの762本塁打という記録を誇る“本塁打キング”のボンズ打撃コーチだ。「彼は打撃練習で誰よりもホームランを打つんだよ。毎日ね」と話し、打撃練習中にホームランを連発するイチローとの興味深いやりとりがあったことを明かしている。

 ボンズ氏「あのさ、(打撃練習中に)こんなにホームランを打つのはやめとけよ」
 イチロー「なんで?」
 ボンズ氏「だって、練習でホームランを打ったって無駄だから。試合でホームランを打ってもらいたいんだよ」

 マーリンズには、通算200本塁打を誇るジャンカルロ・スタントン外野手、今季17号を記録しているマルセロ・オズナ外野手といったスラッガーがいるが、それでも打撃練習中に誰よりも本塁打を放つのはイチローだという。打撃練習中にホームランを量産するイチローについて、ボンズ氏は「彼は打撃練習ですべてホームランを打ってしまうから、試合では安打ばかりになるんだろうね」とジョークを飛ばしたそうだ。

 それでも、イチローが本塁打を飛ばすパワーを持つ事実は変わらない。今季はすでにデービッド・オルティス(レッドソックス)、マイク・トラウト(エンゼルス)、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)といったメジャーを代表するパワー打者たちが本塁打競争への不参加を表明。となれば、イチローに参加の打診が来る可能性も否定はできない。もし、イチローがホームランダービーに出場したら? ボンズ氏は「彼は優勝すると思うよ。簡単、余裕でね」と断言したそうだ。

 伝説の本塁打王も太鼓判を押すイチローのホームラン量産打撃を、ぜひ球宴で見てみたいものだ。